待ち人、永遠に来たらず

余命十五年。夏に成人式を控えた瑞穂は、たった一人の友人の自殺により、自殺を決意する。
ろくでもない人生を終わらせられると思った。

成人式のために帰省をした際、自殺の名所と呼ばれる公園に訪れる。そしてそこで、不思議な少女、茉莉と出会う。次第に心を許しあうようになり、関係を深めていく。

ある時、茉莉は「やり残したことはないんですか？」と言う。
その言葉から瑞穂は死ぬ前に、「やり残したこと」を解消していくことになるが、その過程で、茉莉には誰にも言えない秘密があるのだと知る。

決断の日は迫る。
その時、どうするのが正しかったのだろう。

――俺たちが生きていけないのは、普通を強要する社会のせいだ。普通以外を許さない社会が悪い。

これは社会から排除された人間の物語。あるいは、普通でない人間の、…続きを読む