遠くに見えるのは

「さて、いい加減どこに向かうか決めないとな」


思い返している中で、気がつくとタバコの火が根元まで来ていた。


俺はそのまま地面にタバコを捨てると足で踏みつけて火を消した。


こんな世界ではポイ捨てでとやかく言う奴らはもはやいないだろう……


「さてさて、これからどこに向かいますかね」


周りを見渡すと視界の右から左へボロボロになった道路が延びていた。


正面はかなり遠くに山がうっすらと見え、後ろはひたすら歩いてきた方角だ。


もとの場所に戻るのは論外として、正面の山まで歩くのも面倒だ、となると………


「右か左か………映画みたくコインで決めるか……」


俺は100円玉を財布から取り出して上に親指で弾き、手の甲で受け止め……ようとして地面に落としてしまった………しまらねぇなぁ……


「まあいいや、っと表だから……左か……」


100円を拾って財布にしまうと再び歩き始めた……



そして歩き続けることおよそ一時間後…………



「ふぅ、やっとなにか見えてきたな…」


遠くに小さく建物が見えてきた。


納屋?小屋?見たいな見た目だが人工物には違いない。俺は気持ち早めに歩きを早め、その建物に向かって行った。


「さぁて、ゲームとかならここでお助けキャラクターとか出てくるもんだけど、現実ではどうなるかねぇ?」

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