建屋内探索
そうしてどちらかというと近い方だった第2処理場のところまできた俺たちは、大きいシャッターが閉まった入り口の前にいた。
「これは搬入口か?こういう場合は中から操作して開けないとなんだが…」
「人の出入りするところはあるはずよ?探してみましょう。」
ユウヒの提案を受け、手分けして建物周りを見てみることにした。
「東側に一ヶ所ありましたわ、開きませんでしたけど…」
『反対側にもあったよぉ、こっちも鍵が閉まってたぁ…』
「皆ありがとう、さて鍵は何とかなるからどっちから入るか…」
こういう時は昔からの方法で決めるとしよう。
俺は小銭を取り出して上に放り投げ掌で受け止めた、中の柄を見てみると表が見えていた。
「よし、まずは東側から入ってみよう、エミリーたちは入り口付近で警戒してもらえるか?」
「
『はっ!お前らの出番なんてあるかよ!閉所戦闘は
「ユウ兄こいつらほっといてさっさと行こう!」
オルヌに手を引かれながら皆と東側入り口まで来た所で、扉の鍵をギを見てみることにした、よくわからない電子ロックがかかっていてこれは知識や道具がなければどうしようもなかったのが分かる。
「どうする気?私が無理やり開けてもいいけど?」
ユウヒがそう提案してくるが、ここはもう少しスマートに行こうと思う。
「ぶち破ると警報とかなって警備ロボットとか集まってくると厄介だろ?ここは
俺はそう伝えると左腕を扉に添えてナノマシンを操作した、すると煙状のナノマシンが電子ロックの辺に飛んで行き、ほどなくして音がして扉が開いた。
「ふう、本当に何でもできるんだな、こいつはさしずめ〖解錠〗ってところか?」
「ホント、あなたのそれとんでもないわね。」
「いいじゃんユウヒ、ユウ兄のおかげでトントン拍子に進んでるんだからさ!キシシシ♪」
『開いたのか!よし、メル!アタイらの本領発揮だ!先行するよ!』
『了解!リーンちゃんは中でぶっ放さないようにねぇ!』
空いた扉からメルとリーンが先に入っていき、そのあとからオルヌ・ユウヒ・俺・ホープの順番で建物に入っていった。
長い通路を通っていくが、埃と小さな瓦礫が落ちている以外は低いモーター音が鳴り響いているだけで外にいたような機械や未来的なロボットなどは見当たらなかった。
「なあ、こういう建物って警備ロボット的なものがいると思うんだけど普通はどうなの?」
「うーん、場所によると思うよ?僕の知っている限りではわんさか備え付けられているか、全部朽ちて動いてないって感じの両極端だね。」
俺の質問にホープが答えてくれた、となるとここはあまり重要な設備ではなかったのか?…この分だともう一方の工場に行ったときは盛大な歓迎がありそうだ…
とりあえず十分な数のフィルターを探そう、あと同じものが状態にもよるけど十数個あれば新品同様のフィルターを作成できるはずだ。
「警備関係が手薄なのはいいことだな、まずは目的のフィルターを探そう、建物の役割からして表のシャッターから入る所が処理する物を投入するところのはずだから制御室みたいなところを探してみよう。」
そうして、通路を進んでいくと開けたところに出た、見回すとガラクタの山の向こうにシャッターがあり今出てきた所とは反対側の天井近くに部屋が見えた、上から見れることを考えれば制御室に間違いなさそうだ。
「ホープ、すまないがシャッターを開けるからあそこに見える制御室に一緒に行ってくれないか?」
「オッケー、露払いは任せてくれ。」
「ええ!?ユウ兄私たちは?」
「皆は敵の索敵と排除を頼むよ、こんな狭いところじゃ俺が安心して探せないからね。」
俺がそう言うとユウヒがため息交じりにバールを肩に持ち上げた。
「ふぅ…分かったわよ、注文が多いけどその代わり農場に戻ったらこっちの注文も聞いてもらうからしっかり準備しておきなさいよ。」
「おっ!いいねぇ、しっかり楽しみにしておかないとね、キシシシシ♪」
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