巨獣の爪痕
「おっ、見つけたみたいだ。」
飛んでいた煙が分かりやすく矢印の形になって方向を示してくれた。
このナノマシン結構お茶目な所もあるんだな…
「へぇ、これなら分かりやすいわね…」
「ユウ兄スゴイ!」
俺じゃなくてナノマシンのお陰だが、おかげでサクサクことを進めることができるのでありがたい。
「よし、とりあえず一つあったな、残りの山は素材にしちまうか、ってあれ?」
残ったがらくたの山を素材にして左腕に取り込んだところで、なぜか山の向こうの空間が目の前で一直線に空いているのを見つけた。
左右に向けてまっすぐ何もない空間が広がり、地面にはどでかいキャタピラ跡と何かを引きずったようにえぐれている跡があった。
「おいおい、なんだこりゃ?普通の戦車よりも馬鹿でかいぞ?…………なあ皆…俺の勘違いだったら言ってくれ…これが他の機械がいなかった原因か?」
振り向いて皆に問いかけると皆一様にうなずいていた…
目算でエミリーの装甲車が横に二台と半分は並んで走れる幅がありそうだ、来る前に見た巨大ダンプよろしくこんなでかい戦車か何かとやりあうなんてゴメンだな…
「ユウヒとオルヌはともかく、こんなのとやりあってたらたまったもんじゃない、というわけでこの山みたくガラクタの山は崩して道を作っていくから、そこを通ることにする。」
「はぁーい、疲れることならなるべくしたくないしユウ兄にさんせー。」
他の人員からも特に意見が出なかったので、反対側の山を崩しながら前進を再開した。
『メル!そっち2体行ったよ!』
『了解!』
「正面!主砲!制圧射撃続行!コマ切れにしてさし上げなさい!」
「
「……さすが第2領域中程……機械もひっきりなし……」
「ヒャッハァァァーーーーー機械どもは
「まったく!数が!多いと!めんっ!どうっ!ねっ!」
「ユウタ君!頭下げて!」
「うわっ!」
頭を下げたとたん流れ弾か狙われたか分からないが、頭上を弾が掠めていった。
あれからしばらく山を崩して道を作ってを繰り返していたら、少し開けた場所に出てくることができたが、そこにはカニみたい機械やバッタみたいな機械など軽自動車くらいある大きさの機械がそこかしこにいて、こちらへ一斉に攻撃してきたのだ。
正面をエミリーたちが受け持ち、その左右にメルとリーンがそれぞれ配置について自身の武器を撃ちまくっている、そのうち漏らしをユウヒとオルヌが片付けホープは俺に近づいてきた機械を片っ端から撃ち抜いている。
「ここって!いつもこんな感じなのか!?」
「さあ!?僕もここまで来るわけじゃないけどね!話に聞いてたよりは厄介だね!」
こっちの質問に答えながらも長い銃身をしたリボルバーを撃ちまくっているホープだったが、その姿は西部劇に出てくるカウボーイのようだった…女だからカウガールか?そんなのんきなことを考えている間に戦闘は終了したようだ。
「み、みんな大丈夫か!?」
「こちらは問題ありませんわ!いい車両手配できましたわねアリソン?」
「いやぁ~、お嬢がいい人ゲットするためって言ってきた甲斐があったっす!」
「…嘘は言ってない…
「ちょっと!2人とも!」
エミリー達は大丈夫のようだ。
「こんな雑魚相手になにかあるわけないでしょ?…まあ?心配してくれるのは…別に…勝手に…「ユウ兄!見てた?見てた?私カッコよかったでしょ!」………」
ユウヒとオルヌも無事…あっ、オルヌがユウヒにアイアンクローされてしまった…ま、まあ大丈夫か…
「しかしツイてないね、連中の溜まってるところに突っ込んじゃうなんてね。」
ホープも大丈夫そうだ、メルとリーンは少し先を見に行ってくれているようだ…
道を切り開いていくとこういう事態が起こりやすくなるな…となると、やっぱり処理場か工場へ行くしかないか…
「よし!皆、やっぱり工場か処理場の方へ向かおう、屋内ならさっきの大物も来ないだろうし、目的の物もありそうだ。」
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