第2領域へ

男としての色々な物がひび割れまくって心が致命傷を負ったが、小規模な門があるところまで来ることができた、ここと似たような門を越える毎に危険度が上がっていくそうで、警備には戦車やメル達が着ているようなPAがあたっていた。



「停まってください、エミリーお嬢様?…なぜそんな装備と人員引き連れてここに来られたんでしょうか?」


「お仕事ご苦労様ですわ、我々はこれから探索のために第2領域へ向かいます、門を解放して下さいな。」



警備をしていたのはエミリーの関係者らしく話をしているが、こういう時ってお嬢様がそんなこといけませんとかいって止められてトラブルになるのでは……



「了解しました!お気をつけて…開門せよ!」



警備の人員がそう大声で言うと門がガラガラと音をたてて左側へズレていった。



「……あれ?こういう時って開けろダメだで一悶着あるんじゃ……?」


「?連絡してれば大丈夫だよ?僕とか歩兵の連中とかも普通に通るし。」


「えっ?!皆それぞれがお互い馬が合わないんじゃないの?」


「だからって妨害とか足引っ張るとかしてたら儲ける機会が無くなるからね、大分前にそういったことはなるべく無くしていこうってなったのさ。」


確かにそうなんだが…やはり現実はこういうものなのか…


「それに…根っこの問題は結局男の取り合いだしね…」


「えっ?今なんて「さあ皆さん!ここから気を引き締めて行きますわよ!」…まあいいか、行こう。」


「OK!」



第2領域へ入った俺たちは、数回ルンバにクモ足が生えたような機械の襲撃を受けただけで中程の辺りまで進んで来ることができた。

クモルンバはリーンとメル達が踏み潰し、エミリーの乗る装甲車で引き潰し、全く危険を感じないままここまで来れたが、他の皆は何故か緊張感が増していた。



「皆緊張してるけど、何かあるのか?」


『いや、だよ』


『そうだねぇ、【ダストフット】しか出てきてないからぁ、あっユウタさんに言っておくとさっきの足生えた機械だよぉ』



リーンとメルの2人がそう説明してくれた、さっきのクモルンバはダストフットというらしい。



「なあホープ、さっきのがいるだけだとマズイのか?」


「うーん…なんというか、さっきのは機械の残骸を漁ってエサにしてる奴でね、ソイツしか彷徨いてないっていうことは…」


「少し手応えのある奴がウロウロしてるのよ。」


「そうだねぇ…私とユウヒでかかって仕留める相手かなこれは…」



ユウヒとオルヌ2人がかりで仕留めるって結構ヤバい相手なのでは?



「こうなるとゾロゾロ連れてきて正解だったわね。」


「キシシシ♪思い切りヤれるからね!」



…2人が思い切りやったら俺は余波で吹き飛ぶなこれは…皆を連れてきて良かったと思うよ…



「ユウタさん、ここから先は道が1本だけになっていて、さらに幅が狭くなっておりますの、なのでこの辺りで探していただけると…」


「そうか、なら皆ちょうどいいからここで待ってくれ、探してみる。」



俺はサイドカーから降りる近くの見上げるほど積み上がっているゴミ山に近づいた。

ユウヒとオルヌが軽トラから降りて側に来てくれたと同時に他の皆は周りを警戒してくれている。



「このゴミ山にあるの?」


「いやまだ分からない、それを今から探してみる。」


「ユウ兄、これも取り込んじゃうの?」


「それは一々手間がかかるから別の方法を使うんだ、まあ見ててくれ〖探査〗」



俺はそう言うと左腕をゴミ山に向けた、すると左腕から煙が勢い良くゴミ山を駆け巡っていく



「コイツで中まで簡単に探せるって寸法でな、見つけたらそこまでのゴミを分解して取り込めばあっという間に手に入るのさ。」

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