順調に行く筈…?

 俺はホープと連れ立って制御室へ向かって階段を昇って行った、しかし結構高さのある建物だったようで、階段と梯子を使っているがなかなかたどり着けなかった。



「ユウタ君、今更だけど君のその能力というか特技というか…それはなんなのかな?」



 登りながら手持無沙汰なのかホープからそう質問を受けた、確かにはっきりとは説明してなかったからな…



「ああコイツね、これは…まあ[過去からの贈り物]って所かな、昔世話になった人からもらったんだよ、ユウヒは戦前技術って言ってたから貴重なものなんじゃねえか?」


「…まあ彼女たちが一緒だから大丈夫だろうけど、その能力は下手しなくても強制的に囲い込まれる対象だから十二分に気を付けるんだよ…特に!僕と会ったときみたいにホイホイ声をかけないようにね!デザにはなおさらだよ!」


「なあ聞きたかったんだが、なんでデザの女性は男に対してグイグイ来るんだ?他に男は結構いただろう?なんか俺に対してだけ押しが強いというかなんというか…」


「……それ本気で言ってるのかい?……思っていたんだが、ユウタ君はちょっと天然というか世間知らずというか……とりあえずデザって戦闘能力があるってのは認識しているよね。」


「ああ、それはさすがにね。」


「なら話は早い、簡単に言うと猛獣の求愛を受ける草食獣はいないってことさ……猛獣の一方的な愛…悲しいことだけど…ね」



 なるほど、戦う彼女たちが怖くてドン引きってことか…だから拒絶しない俺に対してグイグイ来るってことか?…ならなんでヒモみたいな男がいないんだ?



「さて着いたよ、ここが制御室みたいだけどこれからどうするの?」



 そうこうしているうちに制御室に到着した、中を見渡すと思った通り端末やらスイッチやらが一通りそろっているし見たところ壊れていそうなところはなかった。

 俺はナノマシンを飛ばして制御室のスイッチ等の役割を把握した後、壁にある大き目のスイッチをオンにすると電源が入り低い起動音とともに端末やメーターに光が入った。



「よし壊れてはなさそうだ、ホープはここで待機して俺が下に降りたくらいでシャッターを開けてくれないか?この端末のここと反対側にあるスイッチを入れればいいみたいだ。」


「今のもユウタ君の能力か…ホント何でもありだねぇ…了解したよ、下に行くまで足元に気を付けてくれよっと!」



 そう言い終わる前に腰のリボルバーを横に向けホープは発砲した、銃を向けたほうを見ると天井からカメラに蜘蛛の足がついた機械がバチバチ放電しながらひっくり返っていた、弾痕はカメラのレンズど真ん中を撃ち抜いている…



「あ、ああ気を付けて降りるよ。」


「フフ、僕でもこれくらいはできるからね、油断しているとすぐに食べられてしまうよ?」



 そう言いながら見事なガンスピンを披露して腰のホルスターに銃をしまった、男から見てもかっこよすぎる動作だろう…!うらやましい…!

 そう考えながら慌てず下へ降りていく、途中さっきのカメラ蜘蛛と同じ機械がこちらを見ていたが特に何もすることはなくその場にとどまったままだった。


 …あれ?コイツ特に危険じゃないのでは?


そして何事もなく1階へ降りることができたと同時に大きな音を立ててシャッターが開いていく、ホープがうまくやってくれたと思って制御室のほうを見ると何やら様子がおかしい…手を振って入り口を刺した後×印を作った。


…開けたのは彼女じゃない?じゃあ誰が?



Gyaruaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!



その時とんでもなくでかい叫び声とともに大量のガラクタの山が迫ってきた、いやこれは山の向こうから押してくる奴がいる…!



「一体何だ!?」


「ユウ兄!こっちに来ちゃだめだ!さっきのデカい奴が入り口から来やがった!」


「隠れてなさい!とんでもなくでかいブルトーザーの化け物よ!」

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