メンテナンスと結論

 さほど広くない空間に二人きり、入り口はいつの間にか閉められており出ることは出来ない。

 これは最初から誘い込まれていたか?しかし…



「なあホープ…こんな回りくどいことしくても…「僕は臆病なんだ…触れておいて振り払われたらどうしようとかあの二人にバレて殺されるとか色々考えすぎて…それでも諦められなくて…」ホープ。」



 呼びかけるとビクッと反応し、恐る恐るこちらへ目を合わせてきた。



「俺はホープの事嫌ってるなんてことはないし、自分の気持ちを正直に話してくれたことも嬉しいよ。」


「え…?ほ、本当かい?」


「ああ、まぁユウヒとオルヌには俺が他の女としてるのはバレてるし、そもそもオルヌも向こうからグイグイきたからなぁ…」



 考えてみればユウヒ以外は向こうから押されまくってそういう事になってしまったしな…



「そうだったんだ…な、ならこんなことしても本当に嫌いになったりは……?」


「ああ、他の男はわからないけど俺にとってはむしろこんな美人に誘われてお得感しかないからな……自分で言っててなんだが日増しにどんどんヒモ染みた言動が増えてくるなぁ……」


「……フフ…フフフ…そっかぁ…そうだったのか…」


 ホープは下を向いたままブツブツ何事かを言っているが、正直表情が見えなくて怖いんだけど、俺何か答えをミスっちまったか?



「うん!ユウタ君に嫌われてないって分かって良かったよ!なら、これからもよろしくお願いします!」



 ホープはそう言うと右手を差し出してきた、俺は迷わずその手を握り返し…



「ああ、こちらこそ!頼りにしているぜ!よろしく頼むよ!」



 そう言うと同時にホープにそのまま抱き寄せられてしまった!



「なら早速をしっかりして出発しようじゃないか!なぁにお互い協力し合えばすぐに終わるさ!」



 ああ、落ち着いたと思ったけど、やっぱりする事はするのね…


 ジャンク・ヒルズに出発したのはそれからきっかり2時間後であった…









「さて、庁舎に着いたよ。ユウタ君が工場長と話してる間に僕は一風呂浴びてくるからもし早く終わったらストレイ・キャッツで待ち合わせしよう。」


「ああ…それはいいんだけど…ホープ…大丈夫か?」



 再出発して運転している時からホープの足腰はプルプル震えっぱなしだった、やっぱりはまたの機会にするべきだったか?



「心配ないさ、ただ今迄の人生で経験したことの無い幸福感と足腰の筋肉痛が来ているだけで全く問題は無いさ!」



 世間一般的にそれは休憩を取らないとヤバいのでは?…



「ま…まあホープ自身がそう言うなら納得しておくよ、じゃあまた後でな。」


「うん!じゃあまた後で!」



 そう言うとホープは俺にキスをして走り去っていった、さり気なくやる辺りやっぱりイケメンスキル備えてるなぁ…



「さて、こっちはグラーシャとの用事済ませてやることやっちまいますかね!」



 俺は自身に発破をかけるようにそう言うと、庁舎の入り口に向かって歩いていった。

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荒廃世界の過ごし方 R・S @hy0106

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