新たな問題
しかし【ノマ】に【デザ】ね、恐らく彼女らみたいな特殊性のある方とそうでない方って感じか?細かいことは聞くしかないか……
「なあ、質問なんだがさっきから言ってる【ノマ】と【デザ】について「うんまぁーーーい!これのどこが【普通】何だよ!」……」
なんだか口からビームでも出しそうな勢いのオルヌがこっちを見ながらそう言い放ってきた。
いつの間にか満杯に汲まれたバケツやら何やらが蛇口から出てくる水を受け止めている。
「いやぁ!オニイサンかなり凄い【デザ】だったんだな!いや【ノマ】だったっけ!?まぁどっちでもいいよな!こんなに水があるなら久々に水浴びしちゃうか?」
「……嬉しいのは分かるが水浴びするなら後にしてくれ、あと水なら枯れないから目一杯汲まなくて大丈夫だ」
「オルヌ、入れ物があまり無いんだからそのくらいにしときなさい」
「はいよぉ、キシシシシ♪こんなたくさんのキレイな水見たのは生まれて初めてだ♪」
ようやく蛇口を閉めてくれたが、手にした空いた缶詰に入った水を飲みながらウロウロしている……腹が水でいっぱいにならないのか?
「にしても、これがオニイサンが言ってた【普通】なら私達が飲んでるのは【水分のある土】って感じだねぇ、キシシシシ!」
「いやいや、流石にそんな事は…」
「…そうね、その通りだわ…」
ユウヒが汲まれた水を飲みながらそう呟いていた。これは俺の予想以上にこの世界は資源環境が悪化しているんだろう。
俺は、もう一口水を飲もうと縁がかけているコップを左手に取りバケツの水を汲んでみたところ、水の情報が入ってきた。
〚汲み上げた地下水
状況 ・汚染された地下水をフィルターで濾過したもの
・汚染度5% 飲用等可 〛
うん?汚染度が少し上がってる?
「直し方が足りなかったか?ふむ、フィルターも見てみるか…横の箱がそうか」
俺はパイプにある箱の蓋をあけ、中を見てみた。するとメガホンくらいの大きさがある筒がパイプの途中に取り付けてあった。
「これがフィルターだな、〖解析〗」
〚汚染除去フィルター 固有値 55 / 100
状況 ・フィルター使用経過につき劣化(小)あり
・試供品の為、継続使用には純正品の使用を推奨 〛
「なに!?このフィルター試供品なのか!」
こんな農場にある機械に試供品使うって未来の商売人はどういう商いしてたんだ?いや、最初は安い値段で売って後から必要な部品を高い値段でご購入くださいって流れなのか……いつまでたっても人ってのは変わらないようだな。
「ちょっと、どうしたのよ?」
ユウヒがそう尋ねてきたが、これはもうこの場所ではどうにもならないな。
「二人とも悪い知らせだ、このままじゃ近い内に水が以前の汚染水に逆戻りだ、今のままじゃ俺にはどうしようもない」
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