農場に帰還

「ええっ!?山分けって…そんな受け取れませんわ!それはユウタさんが頑張った成果ですのよ!」


「そうだぜ!アタイらてんで役立ってなかったし!」


「僕も同感だよ、君にけがをさせてしまった時点で受け取る資格はないからね…」



 そうは言っても、こんな大金持っていても怖いからなぁ…オルヌとユウヒにビビらせてしまったのもあるし…



「まあこれから何かあったらよろしくってことでさ、受け取っておいてくれよ。」



 そういうと俺は皆にそれぞれカードを渡していった、みなしぶしぶという感じだったが受け取ってはもらうことができた。


 本当に怪我をさせたって思ってるんだろうな…全部大暴れしたギガンドーザーアイツが悪いんだが、それを伝えても納得しないんだろうな…



「あっ!そうだ!なら俺たちいったん農場に戻るから落ち着いたら手伝ってくれない?」


「えっ?こいつら私の農場に来るわけ!?そんなのだめよ!」


「そうだよ!こいつら来た日にはユウ兄搾り取られてカラカラになっちゃうんだから!」


「…オルヌ…なんで俺が襲われる前提なんだよ……それにユウヒ、水は何とかなっても農地耕すのは大変なんだぞ?人力じゃユウヒやオルヌなら大丈夫だろうけど俺にはキツイんだから人手は絶対いるし、今更信用できない人員を探すのも面倒だろう?」



 農場には軽トラ以外の車両はガラクタと化していたので修理素材で使ってしまったからな、こればっかりは仕方がないだろう。



「それは…そうだけど…」


「う~ん?…そうかな?……!ユウヒ!ユウ兄のいうとおりにしておこうよ!」


「えっ?オルヌ?あんた何言って…」


「キシシシ♪まぁまぁちょっとこっち来てよ…」



 何やら少し離れたところで2人ヒソヒソなんか話し始めてしまったが、まあ悪いようにはならなそうだ。



「わかったよユウタ君、ただこのままもらうのも後味が悪いからね、せめて君たちを農場まで送らせてもらいたいんだがいいかな?」



 ホープがそんな提案をしてきた、俺としては問題ないのだがユウヒとオルヌがどういうか…



「別にいいわよ、送るっていうのならちょうどいいわ、オルヌ続きは移動中にしましょう。」


「オッケー!ユウ兄お待たせ!じゃあ帰ろっか♪」



 どうやら滞在は許可が下りたらしいが、まだ話すことがあったのか?随分念入りに決めることがあるんだな…



「ちょぉぉっっとお待ちくださいまし!ユウタさんが帰られるというならぜひ私もご一緒させてもらいますわ!」


「お嬢!車両これ燃料入れないとそんな遠出できないっすよ!」


「…それにお嬢、ご当主様に諸々の説明やらなにやらしないとダメ…お稽古サボって探索行ったし…これもブッチしたらまたおこづかい減らされる…」


「ホォーーリィーーーシィーーーーットですわぁぁぁぁぁ!!!!」



 エミリー達はがあるみたいだからここで一旦お別れだな…



「アタイ達もPAアレの修理状況確認しなきゃだからここで別れるとするよ、残念だけどな…」


「うぅ~、ユウタさんまた絶対ここに来てよぉ!メルと約束だよぉ!」


「大げさだなぁ、食料とかいるものたくさんあるからまたすぐ来るよ、その時はメルとリーンにボディーガード頼むからさ。」



 まあたびたび来るのは間違ってないからな、いろいろ足りないものがありすぎるし…



「絶対だよぉ!今度はばっちりお守りしちゃうんだからぁ!」


「おうとも!まかせておいてくれ!だから今度来たら絶対声かけてくれな!普段は連盟の支部にいるからよ!」



 まあ2人は前みたいに買い物に付き合ってくれれば納得してくれるだろう。



「私はまだ納得してはいないが、ユウタがあいつ等と行くというのなら止めるのも野暮というものだ…またここに来る場合は一番に私のところに来るように、そしてできればその後話し相手をしてくれると嬉しい…」


「わかったよ、ちょくちょく来る予定だからその時はよろしく頼むよグラーシャ」


「ふふ…名残惜しいが最後にこれを渡しておくとしよう。」



 そういうと彼女は俺の顎をつかんでキスをしてきた、そして綺麗なウィンクをしてそのまま振り向くことなく庁舎のほうへ歩いて行ってしまった。



「ああー!あのババア!油断も隙もあったもんじゃない!ユウ兄!こっち来て!消毒しなくちゃ!」



 そう言うとオルヌも俺の顔をつかんで熱烈なキスをしてきたが、ユウヒに首根っこを掴まれて軽トラに放り込まれてしまった。



「いい加減にしなさい!まったく…こんなところいたらいつまでたっても帰れやしないわ!さっさと帰ってやることやってしまうわよ!」

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