治療を終えて
「う”あ”あ”あ”ああぁぁぁぁ!!!!!!ユウタ!!大怪我したと聞いたぞ!!大丈夫なのかぁぁ!?」
「うるっさいわよ!この馬鹿!静かにしてなさい!」
「なんでここに来るんだよスカババア!!ユウ兄から離れておけよ!」
「……俺は大丈夫だから…お願いだから病院では静かにしてようなグラーシャ…」
エミリーたちの案内で治療院へと着いた俺たちは、すぐさま俺だけ診察室にぶち込まれそんなのいらないんじゃないかっていうくらいあらゆる検査を実施され、診断結果は異状なしという先生の説明をみんなで聞いているときにすごい勢いでグラーシャが飛び込んできて今に至るという状況だった…
「っていうか!ちょっと!なにそんな奴名前で呼んでるのよ!」
「そうだよ!ユウ兄!こんなのババア呼びで十分だよ!」
「ハンッ!彼に大怪我させるような女はお呼びではない!ユウタ君やはりこの街で暮らそう、なんだったら私の部屋に一緒に住もうじゃないか!」
「あんたら全員うるさい!とにかくそこの男性は大丈夫だからとっとと帰ってくれ!あっ、ヒラオカさんは身体に少しでも異常を感じたらすぐに受診してください、また検査で隅々までしっかり診察させてもらいますからね。」
全然静かにならないので俺を含めて治療院から追い出されてしまった、俺以外はグラーシャ含めてほっぽり出されるようにして、俺はすこぶる丁寧に見送りされてだが。
「ああ、みんなは外で待ってくれていたのか。」
「ユウタさん本当に大丈夫?ごめんねぇ…せっかく一緒に行動してたのに大けがさせてしまってぇ…」
「ホントだよな…こんなんじゃ他の奴らに何にも言えないぜ…」
メルとリーンが外に出た俺たちに開口一番謝ってきた、あんな化け物相手にしてこのくらいで済んだんだから俺のほうは結果オーライで問題ないのだが、どうにも二人は納得いっていないらしい。
「なら今回のことは、貸し一つってことで今度また探索行くことがあれば手伝ってくれよ、それで許すよ。」
「ほ、ほんとぉ?そんな優しい人初めてだよぅ!」
「分かった!ユウタさんがここまで言ってくれたんだ!今度こそはアタイら役に立って見せるから何か必要があったら連絡してくれ!」
とりあえずで貸しを作るということで納得してもらうことができた、まあ別に返してもらわなくても問題はないが彼女たちの負い目を軽減するのに役に立ったならば何よりだろう。
そうこうしていると装甲車に乗ったエミリーたちがやってきた、治療を受ける間にメルとリーンのPAを修理工へもっていってくれと頼んでおいたんだが、ちょうどいいタイミングで帰ってきたようだ。
「ユウタさん、我が家の者に連絡してあのギガンドーザーは確保及び解体を行ってもらえることになりましたわ、というわけでこちらお納めくださいまし。」
車両から降りてきたエミリーにそう言われ、グラーシャにもらったのと同じカードを何十枚も渡された。
…これは何万Pay になるのかわからないが相当な大金じゃないか?
「…なぁエミリーこれって…」
「すみませんユウタさん…今の私に払える限界がこれだけなんですの…後日残りの金額は絶対に私が母に言って用意してお渡ししますわ!あれだけの大物ですもの!母も否とは言わないですわ!」
「その通りっすよ!おまけに集めた部品やらもいい値段になると思うっすからね!その束が後2つ3つあると思うっすよ!」
「…おおぅ、一気に金持ちだな…」
とにかくこうして大金を手に入れたんだ、こういう時はこうすると相場は決まっている。
「よし、それじゃあこの大金みんなで山分けしてから俺たち3人は農場へ帰るとしようじゃないか」
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