第4話 姉 せいぞろいです
一〇分後、スッキリした顔の蓮華と青ざめた顔の歩人が一緒にリビングへ登場、食卓テーブルに着くと歩人は裏切り者を見る眼で桜、あずき、麻香麻を順々に睨みつけていく。
それに対して三人は姉妹揃って目を背けて誤魔化した。
「今朝も随分と騒いでたのね」
言いながら姉妹達の食事を運んできたのは長いパーマ、いやウエーブヘアーが特徴的な長身の女性で今年一九歳になる南条家の次女、眞由美(まゆみ)であった。
一歩進むごとにふわふわの髪と胸を揺らし、にこやかに笑うエプロン姿は全身から母性を発していた。
大きなお盆を左手に乗せ、その上から全員分のお味噌汁を規則正しく配膳する眞由美はとても美人だった。
美人過ぎると言っても問題ない。
だがそれは彼女一人に限ったことではない。
たった今席についた眞由美を含めて、歩人のまわりに座る五人の姉たちは全員が全員トップアイドルでさえカミソリ入りの封筒を送りつけたくなる容姿をしている。
小ぶりな顔立ち、ほどよく通った鼻筋にぱっちりとした二重瞼(ふたえまぶた)、艶やかな桜色の唇に白い肌とサラサラの髪、で、ありながら顔立ちや幼さ大人っぽさや雰囲気が違っている。
スタイルにしても長女蓮華の爆乳と次女眞由美の巨乳を含んだプロポーションの前にはそこらのグラビアアイドルなど裸足で逃げ出すだろうし、胸の薄い五女の桜と四女のあずきにしても、桜はスレンダータイプの少女としては最高ランクに均整の取れたボディラインを持っているし、あずきは持ち前の童顔を十二分に引き立たせる可愛い体をしている。
三女の麻香麻は特別大きいわけでは無いが、丁度いい具合に大きい胸やお尻、そしてくびれたウエストは「スレンダーもグラマーもいまいち」という男子達から絶大な人気を誇っている。
整理すると、歩人の姉は全員、それぞれタイプの違う最高レベルの顔とスタイルを持っているのだ。
非オタクがハーレムゲームをプレイして抱く疑問は歩人のためにあるようなモノである。
だが、こと南城歩人というオトコに大して、これはなんの矛盾(むじゅん)もないのだ。
なぜならば……
「み~んな~~」
間延びした能天気な声を出しながら、台所の奥からお盆を持って歩いてきた一人の女性はウエーブヘアーの赤毛が特徴的でメガネをかけ、泣き黒子)のある大人っぽい顔で八重歯を強調するように幼さ全開の笑顔を作っていた。
身体スペック
身長 :一六四センチメートル
体重 :五五キログラム
トップバスト :九〇センチメートル
アンダーバスト:六九センチメートル
ウエスト :六三センチメートル
ヒップ :九二センチメートル
バストサイズ :Eカップ
肉体年齢 :二五歳
という反則レベルの彼女が蓮華達五人姉妹を生んだ母親である。
この親にしてこの子あり、ということわざ通り、歩人の姉達はこの女性、南城なずなの遺伝子をしっかり過ぎるほど受け継いだのだ。
そして、二、三の疑問だが、朝の風景を見れば誰もがわかる通りで……
「ちょっと、あずきちゃん、何であゆ君のヒザの上にいるんですか? 早く降りて下さい」と麻香麻。
「ヤーダ、ボクここでご飯たべる!」とあずき。
「もう何言ってるの、それを言うならあーくんは私の膝の上で……」と眞由美。
「いや、さすがにもう体のサイズ的に無理だから」と歩人が返すと。
「そうだ、サイズ的に歩人はあたしの膝の上に座るべきだ」と蓮華。
「あうぅ、みみ、みんな、そんな事言ったら歩人君こまっちゃうよ、それに歩人君を膝の上に乗せるなん……乗せるなんて……うぅ」と赤面する桜。
彼女達全員がフリーな理由、そして歩人がモテる理由は単純、五人の姉全員がブラコンだからである。
こんな生活がもう一五年、五人の姉達に囲まれて南城(なんじょう)歩人(あゆと)はすくすくと元気に育っていくのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます