第3話 望月青葉は見つからない



「はぁっ、、、はぁっ、、、はぁ、、、」


一体望月はどこにいるんだ。

俺が知っている場所は学校中を探し回ったが、、、、。本当にいない。


どこだ?校庭にはもちろんいない。


駐輪場もいない。旧校舎もいない。体育館もいない。どこなんだ、、、、?


今の時刻は、、、9時か、、、。

まずい、時間が無くなっていくだけだ。





仕方ない、最終手段に出るか、、、、。



「望月を探し回っているがどこにもいない。何か思いつく場所はあるか?」


よし、送信っと。


良かった、こんな時のために俺の指と足で数えれるくらいの連絡先しか入っていない携帯が役に立った。

悲しすぎる現実だがな、、、、。



とりあえず、渓にはSOSとしてメッセージを送った。すぐに返信が来ると助かるのだが、、、。



江口の目を掻い潜って返信してくれ、、、!



俺のそんな思いが届いたのか、それから1分ほどで返信が来た。どれどれ、、、。


「乙www頑張って探したのに見つからないとか、笑わせんなよ。まぁ、これでコウの内申アップの件とはおさらばだな、おつかれさん。あ、ちなみに俺はいま保険体育の自主勉を江口に隠れてやっているので、もう頼らないでねー。さらば友よ。


                 渓    」




........。



コイツほんとに、ぶちのめしてやろうか?

どこまでも俺の友はクズで逆に安心した。



ちくしょう、、、となるとあと頼れるのは、、、今現在いそうにないな、、、。




はぁ、仕方がない。内申は諦めよう。


望月?知ったことか。どうせすぐに帰ってくるだろう。始業式まであと7分、、、、。

ゆっくり歩いて教室まで帰って江口に報告でもしますかね、、、、、。







待てよ???


さっきアイツはなんて言った?


「俺はいま保健体育の自主勉をしている」だと?



そうか!そうだ!そうだろ!!!



どうして思いつかなかったのか不思議だ。


保健室!保健室だ。


始業式早々に校内にはいるのに教室にはいない。


こんなの保健室にいますよーってアピールじゃねぇか!!

、、、、、、多分違うか。



まぁいい、とにかく保健室に急いで向かおう。


渓はクソ野郎だが、ヒントはくれたみたいだ。


1ミリだけ感謝しといてやる。



ふと、保健室に向かおうとすると携帯が鳴った。

誰かからメッセージが来たようだ。



「スマン。さっきのは冗談です。普通にごめん。まだ望月見つからないなら、屋上でも見てきたらどうだ?こんな時は屋上にいるのが鉄則だろ。

あと、ほんとにスマン。」




.......?




何があったのかは知らないが、随分と俺に謝ってきているのはわかった。



あと屋上はこの学校は危険だからってずっと鍵閉まってて生徒入れねぇだろ、、、、。アホなのか?

そもそも鉄則ってなんだよ、そんな鉄則知らないんだけど。



とりあえず、結局友は頼りにならないらしい。



まぁ、そうと決まれば保健室にダッシュだ。



望月?あぁ、俺の内申ちゃんアップのための貴重な人材だろ!放って置けるかよ!!




自分もクズだということに気づきそうになってしまった。危ない危ない。





そうこう思いながら走っていると、階段のところまでまで来た。

よし、あとはここを降りれば望月がいるはず!



時刻は、、、。

9時7分か。くそ、おそらく間に合いそうにないな。


だが仕方ない。始業式が始まってからでも保健室から無線で先生に報告はできるし、正当な理由だから遅れても怒られはしないだろう。



合法遅刻最高だな。





さぁ、急げ!ここを降りれば俺の勝ち、、、、。





ズルッ!








あ。








そう俺が発した時にはまさしく時すでに遅し、というやつだろう。階段を数段飛ばし、俺の身体は宙を舞っていた。変な体制で床に叩きつけられる。


「がっ、、、、はっ、、、。」




そう言い残すと、頭を打ってしまったようで、俺の意識は徐々に遠のいていく。



嘘だろ、、、?計画最終段階で階段から落ちて失敗とか、、、笑えねぇぞ?



ちくしょ、、、う。









悔しい思いを抱いた時、俺の意識は飛んだ。



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