第24話 嫉妬&復讐計画


もぐもぐ。



ぱくぱく。



もぐもぐ。



あ、どうも。



寿司が美味すぎてずっと噛みしめている俺です。



「しかし、美味いなこの寿司。」



俺が思ったことをそのまま告げると、青葉も同意してくれる。



「ほんとにね!すごく美味しい!」



青葉もぱくぱくとペースは遅いながらたくさん頬張っている、小動物みたいで凄く可愛い。




その隣には、うめぇうめぇとガツガツ寿司と持ってきたお菓子を食っている渓がいる。




食べすぎなんじゃないの、、、、?



「しかし、あれだね!お花見って楽しいもんだね!」



「ね!ほんとに美味しいよー!」



山吹が言うと、飯島もそれに同意する。



てか飯島は少し返事がズレてる気が、、、。



飯島ちゃんはお寿司が好きなのかな!?




いやー、、、わかりますよ。うまいもんね。




俺なんか普段は100円回転寿司というthe安上がりの寿司を食べに行っているが、あれでも全然美味い。




ときたま、親とかが高めの寿司屋に連れて行ってくれた時なんかはそれはもう嬉しいこと。




あーゆーとこは『いくら』で価値がわかるんだよ。




実はこれって結構ガチな話で、安いとこのいくらは小さくてグシャッとすぐに潰れる。



でも、高いやつは大きいし、潰れにくいし、なにより潰れる時の感覚が、プチンってなるのだ。




これは、あれが高いという事の証明になっている。




お寿司語りを脳内で白熱させていると江原が言う。




「ここで食べて終わりってのもなんだし、せっかくだから皆んなでゲームでもしようか。」



ほう、面白そうだね。



「あ、さんせーい!」



「わたしもー!」



各々がそれに同意する。



俺も参加するかな。



乗るしかないっしょこのびっくうぇーぶに。




「んじゃ、俺も。」



「俺も行くぞ!」



俺が参加すると、横から渓も乗り出してくる。



かなり乗り気ですねアナタ。



「よし、ならみんなで何しようか?」




「王様ゲームとかやりたーい!」



飯島が江原に答えて提案する。



王様ゲームか。

悪くはないけど、いいイメージはないなぁ。




あれってつまりあれでしょ?



リア充が好きな女の子と積極的に、身体的に近づくためのイベントでしょ?




くっだらねー、猿じゃねぇか。

性欲処理ならおうちでやってろ。




とかなんとか思いながら王様ゲームアンチな俺だが、このメンツならそっち系になることもなかろう。



参加しても大丈夫そうだ。たぶん。




「よし、ならここに余ってる割り箸があるから、これに数字を書いて、スタートしようか。」



ゴソゴソと江原がカバンから新品の割り箸を数本取り出して言う。




たしかに、割り箸ってのはなかなかオーソドックスでいいんじゃないでしょうか。




「おっけー、じゃあ私配るね。」



と言いながら、山吹はカキカキと割り箸に綺麗な数字を書いていく。



「よし、できた!はい、江原くん。」



「はやいね、ありがとう。」



山吹が江原に割り箸を手渡し、江原も笑顔でそれを受け取る。




あれ?なんか横からすごい圧が、、、!



と思って横を見てみると,

渓がなかなかにすごい形相で江原を見ている。



そして俺の方を見る。やめろ、見るな。



何か面倒くさい事を言われそうで怖いが、一応話を聞く。



「おい、、、コウ。王様ゲーム、江原潰すぞ。」



「えー、、、私情じゃんかよ。」



「私情で悪いか?」



はぁ、、、。



つまりはアレか。



渓は山吹の事が好きだから、山吹が江原とキャッキャしてて嫉妬したんだろうな。



「はぁ、、、そういうバチバチな展開あんまり乗り気じゃねぇなぁ、、、。」



俺はそう言いながら、渓に作戦を聞こうと近づこうとするが、別方向から聞こえる声に耳が傾いてしまった。




「わっ!ごめん江原くん。お茶かかっちゃった、、、。大丈夫!?」




ビチャンと音を立て、コップに入っていたお茶がこぼれて江原のズボンに付く。




「あぁ、このくらい問題ないよ。この服も帰ったら洗うし、気にしないで欲しい。」



そこにすかさずキリッと江原が返答する。




「江原くん、、、!ありがとう、でもごめんね!」




青葉が江原に謝りつつも、お礼を言う。



キャッキャか、、、。




「渓、、、。」




俺はすかさず渓に話しかける。



「あ?なんだよ?」




「、、、、、江原潰すぞ。」




俺はそう言い放った。




だってそうだろ!?




江原は青葉にお茶をかけられてしまった。




そのあと!!!




あいつは青葉になんて言った?



構わない だぁ、、、、?




ざっけんなよぉ?!



普通、青葉様がいままで飲んでいたコップのお茶を自分にかけてもらったらありがとうございますだろうが!!!



ふっざんけんじゃねぇ!!!




訂正しやがれ!!




俺は自分がどれだけキモい思考をしてるかなんて全くわからずに心の中で激怒した。




「お、おう。前言撤回か?潰すなら俺も目的は同じだし、協力しような。」



「当たり前だ。」



「しかしどうして乗り気じゃなかったコウがそんなに江原潰す気満々なんだ?」



渓が聞いてくる。



んなの決まってんだろと思いつつも俺は思っていることを全て渓に話す。




「ーーーてなわけだ。だから潰そう。」




「俺よりだいぶ理由は気持ち悪りぃけど、、、まぁいいだろう。協力しようぜ。」




あの渓ですら引くとは、、、。



青葉には絶対言えないね!!!



まぁ、なんと思われようが江原は潰させてもらう。




「おう!協力だ!」



俺は渓に頷いた。




江原を潰すには、、、。よし。




クックック,,,。



悪いな、渓。




江原を潰すには必要な事なんだよ。




俺はそう思いながら、

誰にもバレないようにコソッと




割り箸に手を伸ばした、、、、、。


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