怒涛の新学期初日
第1話 始まりは日常から
「あぁ、、、だりぃ。」
そう呟いてしまったのは、新学期という憂鬱な気分からだろうか。もしくは、単純に昨日やり込みすぎた新作ゲームのせいだろうか。
「おいおい、、、もう2年なのにそんなんで大丈夫か?」
そうやって話しかけてきたのは、中学からの付き合いの親友?というか腐れ縁?の本堂渓だ。
こいつとは切っても切れない縁があるのか、今年もまた同じクラスらしい、、、。
まぁ、別に俺の数少ない知り合いの1人なので嫌ではないが。
「んあ?あぁ、大丈夫だよ。課題くんは大丈夫じゃないみたいだが。」
というか何この学校。新学期そうそうに課題あるとかどういうこと?そんなに俺らに勉強させて何が楽しいんだよ。
そんな風に不満を心の中で垂れていると、渓も同意したのかウンウン頷きながら返してきた
「いやほんとそれなぁ。マジでこの学校そーゆーとこ嫌いだわー。」
「お前それ他にも何個も言ってるよな。全部同意だけど。」
そんな不満大会を開催していると渓が訪ねてきた
「んで、コウはどんくらい終わってんの?」
「俺は一応8割はやったよ。残りの2割は今からダッシュでやる。」
たぶん間に合うだろ、たぶん。たぶんね?
「でたー、コウほんとに中途半端人間だよなー、2割だけならやっちゃえばいいじゃん。」
いや、今からでも終わるだろ2割なら。
終わるよね?
「その呼び方すんなよ、大体渓は全部終わったのか?」
俺にダメ出しするくらいだ。9割は終わってる人間にしかダメ出し権はないはずだ。
「いや、1割もやってねぇけど?え、俺がやってると思ったの?」
コイツ、、、。やはりクズであった。
1割もやらずに俺にダメ出しとか、上から目線とかそういう次元じゃねーだろ。
「まぁ、お前らしいな。いいんじゃね?別にお前がよければそれでも。」
「まぁな。」
実際、俺もそんなに勉強が好きでも得意なわけでもないし、なくなるならいつでもなくなってほしいと思っているので、コイツの気持ちもわかるっちゃわかる。
「それよりこの新しい2年A組で、望月一緒らしいぜ。久しぶりだから今はどんな感じか知らねーけど。」
「望月?誰だっけそれ?」
望月?俺の記憶にない名前だな、、、。
よく考えろ、望月、望月、もちづき、モチヅキ、モチツキ、餅つき、、、、。ダメだ、餅しか頭に出てこない。本当に誰だっただろうか。
「覚えてねーの?結構話してたじゃん、お前と望月。あのー、あれだよ、中学ん時の。」
「中学、、、、。あー、望月ってあいつのことか。たしか名前は、、、望月、、、なんか青っぽい名前だったはず、、、。思い出した、望月青葉か!」
望月青葉といえば、中学の頃に1年間だけ同じクラスになったやつだ。中3の頃に転校したので、そこから記憶を消去してしまっていた
覚えたぞ、望月、望月、望月。たぶんOK。
「そーだよ、望月青葉。お前も仲良くしてたけど、物忘れ激しいなー、もうジジイだろコウ。」
「うっせーよ、俺は他人とは極力関わらないようにしてんだ。1年間一緒にいてその後転校した人のことなんて忘れるだろ普通。」
「いや忘れないと思うけど、、、。」
「あー、もういいもういい。新学期からお前とはこんな感じだ。今年もどーせなんも変わらねぇ1年だろ。テキトーにいこうぜ。」
「まぁ、、、そうだな。今年もよろしく。」
「こちらこそな。」
こんな、なんでもない1日が始まり、いつも通りの学校生活が始まると思っていた。
この時の俺は、この後数分後に起こる出来事を、完全に予想できていなかったのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます