第2話 望月をさがせ!
俺は鈴風紅16歳。
陰キャ、低カースト、ヲタク、もちろんドウt、、、おっといけない。あまりネガティブになりすぎるのはいけない。俺には俺のいいところがあるはずだ。
それを考えていこう。
たぶん優しい、たぶん良い人、たぶん根はいいやつ、、、、、、、、。
だめだー!自分に自信がなくなっちゃう!
やめだ、別に良いところも悪いところもどうでもいい。逆にそれこそ人間だ。うん。これでいい。
そう、俺は今保健室にいる。
アレ?サッキマデシギョウシキガハジマルカンジダッタヨネ?と思う人もいるだろう。俺も思った。
だがこれには理由がある。
俺が始業式が行われている中新学期早々に保健室に来ることになってしまった元凶。そう。
望月青葉だ。
強く頭を打ってしまったみたいで、少し記憶が混濁しているな、、、。思い出そう、ほんの数十分前の出来事を。
---数十分前
「よーし、みんな揃っているな。おはよう、今日からこのクラスの担任になった江口だ。よろしく。」
なるほど、今年は江口先生になった訳か。
怖い先生と言われているが、俺は知っている。
実は彼はなかなかユーモアがあるのだ。全然悪い人じゃないし、俺的にはハズレではないと思う。
遠くの席にいる渓に目配せで良かったなと合図する。
それを受け取ってくれたのか、渓も頷き返してくれた。どうやら今年は安全にいきそうだ。
「うーむ、、、前から思ってたんだが、せっかく新学期が始まるのに出席番号順というのは少し面白さが足りなくないか?」
ん?
何言ってんだこの人。
出席番号順が普通だろ。別に面白さとかいらないでしょ?いらないよね?
「よし!!!決めたぞ!!!点呼をとる前に、新学期一発目の、、、席替えをする!!!」
マジ?始業式の日に一発目にやること点呼より先に席替え?
どうやら頭のネジが何本か飛んでるらしい。
これは平凡にとは行かなさそうだ、、、、。
「よし、席替えは終わったな。うんうん、やっぱりこっちの方が新鮮で良い感じだ!」
新鮮とはなんだろうか、すごく面倒だったんですけども。まぁ、無事に終わってよかった。
あと、俺は窓際の1番後ろという1番いいと言われる席をゲットした。江口ナイス、これだけはありがたく受け取っておこう。
「すぐ後ろがお前ってのも釈然としねーな。」
そう言って振り返ってきたのは渓だ。
どうやら俺たちはこんなところでも結びがあるらしい。うわぁ、いらない縁ですね。とは言えないので俺も返しておく。
「だな、まぁ知ってるやつなだけマシだろ。俺も知らないやつが近くにきたら本当に1年間喋らないから、お前のおかげで発声できて助かる。」
と、事実を伝えた。
「なんだその理論、、、やっぱりコウはコウだなぁ。」
と言って、笑いながら返された。
いや、結構本気で言ってたんだがな。
「ん?えーと、、、鈴風の横誰だ?えー、、、望月青葉か。望月はいるかー?」
ふと江口が気付いたように口にした。
たしかに、俺の横になった望月がいない。
休みなのだろうか?始業式早々いないとは、幸先の悪いやつだ。
いや、、、でも違う。
望月の席に始業式のしおりが置いてある。
しおりというのは、欠席の人には配布されないので、望月が休みという可能性はないはずだ。
なら、どこにいったんだ?トイレか?
それもあり得ないな。
トイレに行ったとすれば、すぐに帰ってくるはずだ。俺と渓が話していたり、席替えをしていた30分間ずっと姿が見えないのはおかしい。
謎だな、、、考えても望月がどこにいるのかがわからない。
「望月がいないのか、、、。いやでも登校はしてるみたいだな。よし、鈴風探してきてくれ。お前ならささっと見つけれるだろ。」
なんでそうなるんだよ、、、。
いやたしかに俺は校内のことなら、一人で色々散策したりして知らないところの方が少ないですけども、、、。
ちくしょう、江口と知り合いだったせいでこんなことになるなんて。
さっき江口に感謝したことは取り消しだ。
こんな面倒なことをさせられるなんて、、、。
まぁ、指名されたのなら仕方がない。
ここで断っても何が解決するわけでもないし、江口は俺に無理やり行かせるだろう。
はぁ、、、行くか。
「わかりました、では探してきます。始業式が始まるのは9時10分からですよね。現在時刻は、、8時50分。急ぎますが、見つからなかった場合帰ってきますので。」
「おう、頼んだぞ鈴風。見つけてくれたら、あとで内申点を少しだけ上げてやろう。」
「行ってきます!!!」
そんな条件を言われたら即答だ。
こんな簡単なことで内申がもらえるならいくらでもやってやる、、、!
待ってろ望月、、、俺の内申のために、、、!
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