第13話 本堂渓と山吹楓part2
うっす。本堂渓です。
俺は今、この横にいる超可愛い美少女(同い年)と共に、友人?知人?を探しています。
さぁ、その超可愛い美少女とは誰のことかな?
もちろん!山吹楓ちゃんにござります!
まぁ、正直言って俺の好みの色々大きい女の子ではない。
むしろ色々小さいまであるんだよなぁ。
でも、それでいい。むしろそこがいい。
とまぁ、人生初の一目惚れをしかける前に一旦本題に入ろう。
「とりあえず、、、まだ校舎にいる可能性があるから、教室でも見に行ってみるか?」
何気にいい案なのではないだろうか?
俺は山吹に提案してみた。
「そうだね、とりあえず教室行ってみよっか!」
「おう。」
肯定されました。
俺は正解を選んだようです、どうやら。
教室に向かって山吹と共に歩く。
その間、俺と山吹との間には小さな会話ができていた。
「本堂君ってさ、何か趣味とかあるの?」
あーなるほどね、まずは趣味を聞いてくるか。
まぁ、無難だしそうなるよね。
さて、なんで答えようか。
まぁ一応俺は趣味は少ないこともない。
だが、そのほぼ全てが知ってる人にしか通じないということが多い!!!
ここは、、とりあえずこれでいいかな?
「うーん、、、まぁ外国の映画とか好きだよ。」
これ、なかなかいいんじゃね?
変に〇〇ヲタクとも思われる事はないし、作品名を出さないことによって、相手が知らなかった場合というのを未然に防げる。
きましたわコレ。
すると山吹はうーんと首を傾げながら
「へぇー、外国の映画とか見るんだー!どんなのが好き?」
うん、まぁそうなるよね。
話を深く掘り下げるために大事なのは、より詳しく相手のことを知るということだ。
山吹楓はそこんところよくわかっている。
変に外国の映画だからといって、自分が知らないと丸投げをするのでは無く、しっかりと自分が知っているかどうかを知る努力をする。
いい人だなこの人は。
感心しつつ、俺は答える。
「まぁ、marvelシリーズとかかなー。」
流石に抽象的過ぎたかな?
いや、大丈夫。
山吹の事だ。marvelのこともきっと何か知っていて、さらに掘り下げてくれるだろう。
そうなりゃ、こっちは何時間でも話せるし会話がもつというもんだ(相手が興味津々だった場合のみだけどね。)
さて、、、どうくる、、、?
「へー、marvelかー、なんか有名だしみんな好きだよねー。私は見たことないやー。」
..........。
SOREDAKE!?!?!?
あの掘り下げ屋の山吹さんがそんだけすか!?
うぅーむ、、、marvelに1ミリも乗ってこないとは、、、。
とりあえずお蔵入りですかね。
「そ、そうなんだ。てか、山吹は趣味とかあんの?」
しまった、つい流れを変えたすぎて女子に趣味を聞いてしまった!
これはまずいやつだ。
女子に趣味を聞くなんて、相当仲がいい人しか許されていない。
どうなるかと緊張していると、山吹から返答が返ってくる。
「そうだなー、趣味かー。私は服選びとか、歌うこととかかなー!」
へぇー、服ねぇ。
たしかに女の子は服好きだもんな。
まぁ、これに関しては女性の服はわからないので、俺には深掘りできない。
あとは、、、歌か。
歌なら俺も結構好きだな。
たとえば、あーと、えーと、うーと、、、、
だめだ、五十音全部言ってしまいそうなくらい急に出てこなくなった。
あれ、俺って歌好きだよね?
自問自答が始まりそうで怖かったのだが、俺が答える前に教室の前に着いた。
「歌もいいよなぁ。お、もう教室か。スマンちょっと中見てくる。」
「おっけー、じゃあお願い。」
了解と言いながら俺は教室の扉を開ける。
「教室にはいない、、、みたいだな?」
教室は一つの扉から全部が一望できるから良い。
だが、ここにいないとなればもう帰ってしまったのだろうか。
それを伝える。
「ここにいないなら、もう帰ったかもだなー。」
すると山吹は残念そうな顔をする。
「そっかー、、、まぁ仕方ないかなぁ。」
そう残念な顔をされると俺も困るというものだ。
もちろん俺は望月の家は知らないし方向すら知らない。
あと俺に何ができるだろうか。
考えてみる、、、が浮かばない。
どうしたものかと考えていると、突然山吹が申し訳なさそうに言う。
「ごめんね?初対面なのに本堂君に手伝わせちゃって。後は私で探すよ。」
「そうか、わかった。俺は全然いいよ。暇だったし。」
本当に暇人だったもんなぁ、俺。
「うん、ありがとね!これからも同じクラスだしよろしくね!」
「おう!」
そう言って、山吹は少し急ぎ足で階段のところに向かった。
あ、と思い出したように俺の方に振り返り山吹は口を開いた。
「それと本堂君、楓でいいよぉー!」
それは俺にとって、初めての事であった。
女子から下の名前で呼ぶことを許可される。
普通の人からしたら何がすごいんだと思うかもしれないが、俺は違う。
前も言った通り、俺は女が嫌いだ。
そして、そんな女に対して名前も呼ぶことすらも躊躇っている自分も嫌いだ。
そんな俺の概念を、山吹楓は変えてくれた。
名前で呼んでいいのだと。
どんなに俺が衝撃を受けて、喜びに思ったか、紅くらいにしかわかるまい。
その許可、ありがたく受け取ります。
そして俺も、オウム返しのように返事をする。
「あぁ、わかった。俺も渓でいいぞー。」
相手のことを下の名前で呼ぶんだ。
こちらも下の名前で呼んでいい、
いや、呼ばれたいに決まっている。
すると楓はニコッと笑いながら、
「おっけー!じゃあ、よろしくね渓くんー!」
もう階段を降り始めていたので、俺は会釈で返す。
ふぅ、、、たったの数分、数十分間だった。
それでも、山吹楓と関わったこの時間は、
俺の人生は新たにここから動き出すんだと言わんばかりの、
そんな気分にさせてくれた。
......ピッピッピ。
トゥルルルル...トゥルルル...ガチャ。
「どうした?」
声の主は心なしか嬉しそうな、救われたような声をしている。
だが、俺も同じ声のトーンで声を出した。
1番に伝えるべきは、コイツだと思ったから。
「俺な、、、。」
「恋、、、しちゃったかもしれん。」
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