第4話 青葉参上!

そして俺は目を覚ました。


身体を起こそうとするが、目眩がして上手く起き上がれない。



仕方がない、今は横になっておいた方がいいか。



※※※※※※※※※※※※※※※


そして今に至るわけだ、、、、、、。


痛たい、かなり痛い、すごく痛い。


目眩がする程だ、結構強くいっちゃったのだろう。



くそ、、、望月なんて探さなければこんなことには、、、。



まぁ、今回は完全に俺の不注意で起きたことだ。

望月は何も悪くない。ただ俺が馬鹿だった。



あー、、、痛い。

もう始業式はとっくに始まっている頃だろうか。



部屋の中をぐるりと見回してみた。

どうやら首から上だけは動かせるようだ。



うーん、、、保健室ってこんな感じだったのか。


実際、この高校に入ってから保健室に来たのは初めてなのだ。内装はよく知らなかった。



思っていたより、薬品?の匂いが強い。

よく保健室の匂いだ〜〜。と人が例に使うのも納得がいく。これはたしかに印象に残る匂いだ。



中学の時も保健室は入ったことはあるが、健康診断みたいな一年に一回入るか入らないかだったので、忘れてしまっていた。



どれどれ、、、、、。


お、時計を発見。


現在時刻は9時40分か。やってしまった。


あわよくば途中から始業式に出ようかと思ったが、これはさすがに時間が経ち過ぎだ。



諦めよう。こんな中途半端に後半からから入ろうもんなら、クラスメイトに



(うわー、、、入ってきた。)

(なんか、先生に内申貰えるからって言われて飛び出していったくせに、間に合わないとか草)

(イキんなカス。)



とか色々思われるのは目に見えているので行かないことにした。

別に行きたいもんでもねーから嫌な気持ちはしないしな。




ただ、さっきから気になっている事が一つある。



俺は階段から落ちて→気を失って→目が覚めたらここで寝ていた。



二つ目の→が完成するには、俺以外の誰かが必要になってくる。頭を強く打って、ふらふらながら自分で保健室に来て、寝かせてもらった。


とは考えにくい。それなら流石の俺でも覚えているはずだ。一体誰がこんな親切なことを、、、?



保健室の先生だろうか。

おそらくそうだが、姿が見当たらない。

それどころか、この部屋全体で俺以外の気配が全く感じられない。



俺を寝かせたまま江口先生に報告に行ったのだろうか?だがそれなら無線を使えばいいのでは?




1分ほど考えたが、わからないのでとりあえず先生が帰ってくるまでは寝ておくことにした。



それがいい、帰ってきて起こされたら事情を聞けばいいし、何も今考える必要はないんだ。



俺はいま全て合法でこうなっている。


そう考え出すと、さすがは俺といったところだろうか。眠気が来て、すぐに眠れそうだった。





二度寝さいこぉぉぉ、、、、、、。





俺の意識はそこで再び飛んでいった。




※※※※※※※※※※


ガラララッ



その音がアラームとなり、俺は目を覚ました。


どうやら誰かが保健室に入ってきたようだ。


カーテンがされているので、俺からは誰なのかはわからないが。




眠い、まだあまり寝れてない気がする。



もう少し寝かせておいてくれよ先生、と思いながら時計を見る。10時だ。

やっぱりあんまり寝れてねーじゃん、、、。



まぁ、そろそろ始業式が終わり、高2の一学期の説明でもしてる頃だろうか。


俺はそんなスタートで名前通りこけてしまったわけだが、、、、。



この先大丈夫なのだろうか、、、、。



でも、保健室のベットって狭いけど寝心地はいいんだな。今度また来ようか、、、、、。



と、そんな心配と安心感を謎に両方持ちつつ眠気をとっていると、カーテンがシャーと開いた。





俺は、開けられた方をみて驚いた。





そこに笑顔で立ってこちらを見つめていたのは、


先生ではなく、この学校の制服を着た少し小柄な女の子だったからだ。



え?誰この人、めっちゃ可愛い。じゃなくて、この学校の生徒だよな、、、?



カーテンが開けられててっきり先生かと思っていたものだから、咄嗟のことに俺は声が出ない。



声が出ずに、無言のまま数秒経った時、相手から先に口を開いた。



「おはようございます、鈴風紅くん。身体は大丈夫ですか?」



と、ほっこりするような優しい声でそう言った。



まずい、、、急なことで言葉が出てこない。


俺は咄嗟に答えた。



「あ、あぁ、痛い、、、けどたぶん大丈夫です。」



言葉がたどたどしくなってしまった。

我ながらコミュ力はまだまだ低いようです。

まだまだ頑張らねば!



やっとの事で返事をすると、相手も返してくる。



「そうですか、、、。でも、意識はあるようだし、大丈夫と言えるのなら安心です!」



いい子だなと思った。年上なのか年下なのかはわからないが、この人は優しい人だ。



「はい、、。たぶん大丈夫です。それより、えーと、あなたって、、、、。」



とりあえず、相手を知らなければ俺の今の状況も何も解決しないし始まらない。

相手はキョトンとした顔をして、それから俺の状況がわかったのか、答えてくれた。



「えーとですね、鈴風君が倒れていたのを廊下で発見して、すぐ近くにあったここの保健室まで先生と協力して連れて来たんです。」




へーーーー、そーだったのかーーー。



、、、じゃねぇよ。普通に申し訳ないな、そんな初対面の倒れてる俺なんかを運んじゃってもらって。



「そうだったんですか、、、すいません。俺、人を探してまして、急いだのがいけなかったのかあっちの階段から落ちてしまいまして、、、。迷惑かけました。ありがとうございました。」



そう俺がいうと、女の子は少し驚いたようで



「えぇ!?階段から落ちて倒れていたんですか!?本当に身体は大丈夫なんですか?」



そんなに驚かせるつもりはなかったんだが、、、。

まぁ、これ以上余計な心配かけてもアレだ。



ここは大丈夫だと男らしく見栄はっていこう。



「はい、大丈夫です。もう痛みも少ししかありませんし、俺は大丈夫です。」



「そうですか、、、。それなら良いんですけど、、、、。」



相手はどうやらまだ心配しているみたいだ。


ここは一旦話を逸らそう。



「あと、俺を運んでくれた先生ってどこに行きました?僕も早く授業に戻らないといけなくて。」



先生の場所は普通にわからないし、聞くのが1番だろう。



「あ、先生なら、鈴風君と私で保健室で待ってるようにって言ってたから、もうすぐしたら来るんじゃないかな。」



なるほど、江口先生のとこにでも行ったのだろうか。とにかくここにはいないらしい。




「そうですか、わかりました。あと、すいません。俺は2年A組の鈴風紅です。えーと、、、、あなたは先輩、、、でいいですか?」



先輩か後輩かわからない時はとりあえず失礼にならないように先輩だと思っておき、敬語を使うべきである。(俺調べ)



あ、でも女性だから年を上に見たら失礼に当たるのか?むむむ、、、、。



この世界は難しすぎる、、、、、。


と、思っていたら返事をしてくれた。





「えーと、私も2年A組で、望月青葉といいます。紅くん、、、、あ、鈴風君と同じクラスって聞いたんだけど、、、、。」


















what’s ?













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