やっぱり小百合様とあかね様って対照的だね

 任務を終えて雅華神社に帰還した私達は、境内で本日の反省会を行っていた。


「今日は二人共お疲れ様でした。大きな怪我もなくて安心したわ」

「いえ、まだまだ自分達は未熟だってことを、改めて自覚させられました」


 私は労いの言葉を掛けてくださった小百合様に、私は反省を述べた。実際、気を抜かないようにしていても予想外の邪気の攻撃に気付けなかったののだから。


「今回は大事に至らなかったからよかったけど、相手がより凶暴な魔物や強い邪気だった場合、命を落としかねなかったわ」

「はい……」

「うう、否定できまへん……」


 あかね様の注意はまさにその通りで、もっと強い敵が開いてだったらどうなっていたことか、考えただけでも恐怖を感じるわ。


「こういう思いをしたくないのなら、力をつけ、経験を積み、仲間を信じること。私だって最初はあなた達と同じ、何も出来ず、命の危険に何度も遭ったわ」

「でもね、あかねちゃんは自分の力のなさを考えて、修行にも打ち込んで、先輩達との連携を考えたりして強くなったのよ。あなた達だってできること。だから落ち込まないで」


 あかねさんのご指摘の後に、私達を慰めるようにそう仰られた小百合様がこちらに近づき、私と睡蓮ちゃんの頭を優しく撫でてくださった。


「あかねちゃんも相変わらず強いわねぇ~」

「風紀係に回されてからも、いつまた実働部隊に異動になってもいいように修業は欠かさなかっただけで、雅華神社の巫女として当たり前のことです」

「そうやって真面目なところが、雅華神社の巫女達の風紀をしっかりと正してくれてるのよねぇ~」

「あなたもそうですし姫華と愛梨、それに恋様のあの破廉恥な行動があるから風紀係が必要なんです! 姫華達なんか昔は真面目だったのに……」


 と、あかね様は急に捲し立てるように小百合様に詰め寄られた。


「あ、あの~。あかね様は愛梨様と姫華様のことをよくご存じのようですけど……」

「あの二人は私の同期なのよっ!」

「そ、そうだったんですか……」


 小百合様に向けていた感情の余波を私に向けながらそう仰られたあかね様。この様子だとあのお二人や恋様もあかね様に色々とご苦労をおかけされてたんだろうなぁ……。

 と、そんなことを思ってたら、あかね様は小百合様にお小言を続けられた。とんでもなくカリカリしながらだったから、色々と積もり積もってるものが多いみたい……。


「なぁなぁ沙綾ちゃん」ひそひそ

「なぁに?」ひそっ

「やっぱりあかね様と小百合様って、ほんまに対照的やなぁ」ひそひそ

「そ、そうだね……」ひそっ


 睡蓮ちゃんの言う通り、お二人は本当に対照的。でも、対照的だからこそ、お互いの色んな部分を補い合えるんじゃないかなぁと思う私だった。

 


 

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