雅華神社物語~巫女になったけど、女の子同士ばかりってどういうこと⁉~

路地裏の本棚

第1章 雅華神社って、神々しいけど変なとこだなぁ……

雅華神社って、巫女同士でイチャイチャしてるの⁉

「いよいよ今日から、私も雅華神社まさはなじんじゃの巫女になるんだ……‼」


 大きな赤い鳥居の前に立った時、私は初めてそう言う実感が沸いた。


 私の名前は深山沙綾みやまさあや。倭国の首都・華蓮に住む、今年で十五歳になる女の子。毎年十四歳になる女の子を対象に、倭国全体で開かれる雅華神社の巫女試験に合格したの。


 しかも系列の神社ではなく、総本山の雅華神社の巫女になるという悲願を達成したの。そして一年後に、巫女装束と共に、雅華神社の巫女になる免許が送られてきた。自分で思うのもなんだけど、この三年間、寺子屋で巫女になる為の勉強を頑張ってきた甲斐があったわ。その証拠に今の私は、雅華神社とその系列の神社の巫女達の身が着用を許される装束に身を包んでいるのだ。


「ふぅ……よしっ!」


 荷物を入れた袋の重さを背中に感じつつ深呼吸を一つして、神社の境内に向かう為の第一歩を踏み出した私。


「あら~、ひょっとしてあなたも今日から雅華神社の巫女になる子なん~?」


 すると背後から、とても穏やかで柔らかい声の女の子が私を呼んだ。振り向くと、白い肌と前髪ぱっつんな黒くて肩まで届くとっても綺麗な髪、眩い紫色の瞳のおっとりとした雰囲気の女の子が、左手に荷物が入ってる紫色の風呂敷包みを持ち、雅華神社の巫女装束を着て立っていた。


「うん。あなたもここの巫女になった子なんだ」

「そうなんよ~。うちは九条院睡蓮くじょういんすいれんというんや。よろしゅうお願いします~」


 そう言いながら睡蓮という女の子は穏やかなニコニコ笑顔で丁寧にお辞儀した。うわ~。とっても丁寧で清楚な子。なんだか見つめられてると、顔が火照ってくる……。って、九条院ってまさか……。


「九条院って、倭国最大の財閥じゃないっ⁉」

「そやで~。うちはそこの三女なんよ~。倭国を守る巫女様に憧れて試験を受けて、この度雅華神社の巫女になりましたの~」

「そ、そうなんだ。私は深山沙綾っていうの。よろしくね。睡蓮ちゃん」

「よろしゅう、沙綾ちゃん」


 愛想よく丁寧にお辞儀した睡蓮ちゃん。本当に清楚な女の子だなぁ~。


「それにしても、沙綾ちゃんはどう思っとるん?」

「どうって?」

「この装束のことや~」

「うぅぅ……改めて考えてみると、恥ずかしいかなぁ//////」


 そう言いつつ、自分の全身を見る私。この神社の装束は、霊力の適切な制御と、呪術の効率的な行使の為の機能的な構造をしてるんだけど、問題はその構造にある。


 白衣は肩から胸の谷間まで丸出し、胸の南半球もちらちら見えてて、お腹周りも丸出し。おまけに緋袴は横のとこの切れ目が太ももの付け根から膝下までがっつり入っていてお尻と生脚が丸見え。正直言ってすっごく恥ずかしい。


 普段から雅華神社の巫女さん達を見る立場からすると何ともないんだけど、いざ自分がこの装束を着てみると、巫女になった嬉しさよりも恥ずかしさが勝ってしまう。


 そう考えると、おんなじ格好してる睡蓮ちゃんも結構色っぽいなぁ。肌は白いし、胸も大きいし、お腹もスベスベしてそうだし、おへそも縦長で可愛いし、緋袴の切れ目からはみ出るふとももはちょっとムチッとしてるけど、程よい太さだと思う。これで清楚でおっとりって言う落差はかなり色っぽい。なんだか見とれちゃうなぁ~。って、何を私は考えてるの……//////


「うちなぁ、この装束姿を昨日お姉さま方に見せたんやけど、二人共似合っとるって言ってくれたんやでぇ~。でもぉ、自分だったら自信がなくて着れへんっていわれてしもぉたわ~」

「そ、そうだよねぇ~。私もお母さんにおんなじこと言われた……」


 自分の妹や娘がこういう格好をしてても変に思われないのも、この巫女装束が倭国では当たり前になってるから、なのかなぁ?


「ふふっ」

「な、なぁに? 睡蓮ちゃん」

「いやなぁ、沙綾ちゃんのお胸、結構大きいなぁと思ってなぁ」

「そ、そうかなぁ……」


 睡蓮ちゃんに指摘されて、ちょっと自分の胸を触ってみる。確かに自分で言うのもなんだけど、寺子屋の同い年の女の子達では大きいと思うけど、美人揃いの雅華神社の巫女の中ではそうでもないかも知れない。まして胸の大きさでは睡蓮ちゃんの方が圧倒的で自信がなくなっちゃう……。


「それにぃ~」

「ひゃっ⁉」


 すると睡蓮ちゃんはスススッと近寄り、私のお腹を右手で触り始めた。


「やっぱりや~。沙綾ちゃんのおなか、めちゃめちゃ触り心地抜群やなぁ~。おへそも可愛ええし~」

「ちょ、ちょっと睡蓮ちゃん//////」


 初対面の女の子に親しく話しかけるならともかく、まさかいきなりお触りまでするなんて……結構大胆な子だなぁ。


「それより睡蓮ちゃん、遅れないように早く入ろうよ」

「そやな~。これからよろしゅうな~、沙綾ちゃん」


 そう言いながら私達は、鳥居をくぐって境内へと入っていったの。でも、境内に入った途端、私達は衝撃的な光景を目の当たりにしたの。


「……えっ?」

「あらまぁ……」


 なんと、境内のいたる所で、際どい巫女装束に身を包んだ綺麗な巫女達が、お互いになまめかしい声を上げながら戯れていた。


「もう、そろそろ式が始まっちゃうわよ?」

「あとちょっとだけ……❤」


 ある巫女さんは、一人の巫女さんに後ろから抱き着いていた。


「あんっ、そんな風にお腹を触っちゃって……❤」

「だって好きなんだもん❤ あなたのスベスベのお腹が❤」

「でも私も好き、あなたのお腹❤」


 別の巫女さん達は、お互いに向かい合ってお腹を触り合っていた。


「あなたの太もも、本当に柔らかくてスベスベねぇ~❤」

「私だって好きよ❤ あなたの太もも❤」


 また別の巫女さん達は、緋袴の横に大きき開いた切れ込みから露出する太ももを触り合っていたわ。


「ね、ねぇ睡蓮ちゃん。睡蓮ちゃんもこう言うことしたいって思ってるの?」

「流石に、まだあそこまではいかへんなぁ……」

「ま、雅華神社って、一体どうなってるのよ~⁉」


 境内には、戸惑う私の絶叫が木霊した。私達、本当にこれからどうなっちゃうの?


―――――――――――――――――――


 本日より始まりました! 露出度の高すぎる装束に恥ずかしがりながらも、雅華神社の新人巫女として頑張っていこうとやる気十分の沙綾ちゃん。そしてはんなりおっとりな性格の睡蓮ちゃん。この2人が、これからこの神社でどんな出会いをし、どんな経験を積んでいくのか、お楽しみいただければと思います!


 もし本作をお楽しみいただけましたら、星やフォロー、応援コメントをよろしくお願い致します!



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