偶像(ゆめ)の中

18歳の少女・宮田朱里がビルの屋上から転落死を遂げた。遺書は残されておらず、争った形跡もないことから、警察は事件・事故の両面から調べを進める。
宮田朱里には3つの顔があった。アイドルグループのメンバー、女子校に通う高校生、そして父親の顔を知らずに育った私生児。それぞれの関係者が事情聴取に応じるも、事故、自殺、他殺、と三者三様に主張が食い違う。死の真相はどこにあるのか。

第14回小説現代長編新人賞2次選考通過作に、大幅な加筆修正を加えて連載しています。