二.『夢見竜』ティリーア


◼︎ティリーア[Thileir]

(名前の意味:涙の泉)



◼︎イメージワード


 ——命

 白きかいなすべてを癒し 涙を止める

 その身に宿るは 忠節

 久遠くおんの約束 待ち続ける 気高き姫——



◼︎雑記


 ストレートロング・ダークヘア、要するに黒髪。

 外見年齢は十八歳で停まっていますが、時々年齢不詳。

 小柄でおっとりマイペース、目の色は淡い水色。


 霊夢Leim界・風の島ウィザールの竜族の村で産まれた取り替え子チェンジリングの人間でしたが、弟である時の司竜アスラ、村で出逢った光の司竜ハルとの関わりを経て、永遠の命を得ることに。

 その反動(代償)として彼女は子を宿すことができなくなったのですが、本人はあまり気にしていないようです。


 ティリーアは産まれの特殊性ゆえに、両親の愛情をほとんど受けずに育ちました。そのため、感情が希薄で内向的、という面があります。

 ハルに深く愛され、自分でもハルを愛すようになるにつれ、少しずつ感受性を取り戻したものの、今なお「怒り」や「正義感」、それに付随ふずいする感情が欠落しています。

 彼女の場合、「怒り」「憎悪」「不満」などはすべて「悲しみ」に変換されてしまい、理不尽に向き合うため心にまとった感情は「諦念ていねん」でした。


 悲劇に直面したときは誰でも、その原因に怒りを向け恨みを抱くものです。彼女がジェラークや人間たちを恨まなかったのは、それがからであり、決してハルの意図を理解し受け止めることができたからではありませんでした。

 彼女が悲しみに呑まれずこの先も永遠を生きていくためには、すがれるものが必要であり、約束を信じなければ生きていけなかったのです。


 はじまりは、そんなもの。

 ですが、信じる彼女の姿が竜たちに力を与え、彼らに支えられて彼女に中にも確信が生まれ——、それは少しずつですが確実に、揺るがぬ信頼へと換わっていきます。


 特別に強く、特別に高潔だった、というわけではなく。

 彼女はごくありふれた、ごく平凡な精神性を持つ女性であり、多くの友人と家族による支えがあったからこそ、千七百年のながきを待つことができたのです。


 余談ですが、エレナーゼ大陸世界の無属性に『クルーメル』という占術特化の中位精霊がおりまして、これは『夢見竜クゥルマ・エル』が由来だったりします。


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