第40話 キラリン危機一髪
ピカリオが去ってしまい、ひとり取り残されてしまったキラリン。それでもいつかピカリオが戻ってくると信じて記念写真を撮り続けてきた。この日はアテネのアクロポリスでの撮影を終えると、その東に位置するゼウス神殿に来ていた。ゼウス神殿は柱だけを残し、その周囲は芝生の広場で囲まれた状態になっている。
高く並ぶ柱を背景にしてキラリンの写真を撮ろうとしたその時、事件は起こった。カメラを構えていると、視界の端に何やら動く物体が入ってくるのに気が付いた。「まずい、これはやられる!」と思った時には、キラリンは突然現れた野良猫の右フックで吹っ飛ばされていた。飛んで行ったキラリンにとびかかり、さらにパンチを繰り出し続ける野良猫。本来ならば救出活動をするべきなのだが、猫に叩かれるキラリンの姿が秋の映画でカラスに襲われる様子に重なって、これは写真にとらなければという妙な使命感が湧き上がって猫を追い払う行動に移れない。結局、野良猫は1分ほどでキラリンに飽きたのか去っていった。すまないキラリン、でも面白い写真は撮れたから許してくれ。
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