第11話 ストライキに気をつけろ!
イギリスのドーバーを出発し、2時間弱の短いフェリー旅を経て無事フランスのカレーに上陸した。この日の最終目的地はパリ。カレーから特急列車TGVに乗り、2時間程度でパリに到着する……はずだった。そう、アレさえなければ。
フェリー到着後、列車に乗り換えるためフランス国鉄のCALAIS VILLE駅に向かった。少し距離はあるが、これから向かうパリに思いをはせながらウキウキ気分で歩いていた。30分くらいで駅に到着すると、何やらおかしな雰囲気に気が付く。眼前には乗客が一人もいない静まり返った駅舎が広がり、電車の運行予定を表示するためのものと思われる電光掲示版も電源が切られて黒いだけの板になっている。
何かおかしい、いったい何が起こっているのだとあたりを見回すと、発券用の窓口が一つだけ開いていることに気が付いた。窓口で暇そうにしている眼鏡の女性に声をかけると、「Today, all canceled.」と片言の英語でそっけなく告げられる。どういうことか理解ができず理由を聞いてみると「ストライキ」と冷たく一言。マジかよ!と動揺しつつも冷静を装いその女性にTGV以外で動いている電車はないかと尋ねてみるも、ノーと冷たく返ってくるのみ。これは本格的にまずいぞと焦りの感情が心に生まれる。電車以外でどうにかパリに行く方法はないものかと相談すると、バスならあるかもしれないが、ここでは細かいことはわからないのでフェリーターミナルで聞いてみろとのこと。バスが何時に来るのかわからないため、来るときには30分かかった道を15分で引き返してインフォメーションに駆け寄ると、運よく30分後にパリ行きのバスがあることが判明。どうにかパリまでの交通手段を確保することができたのだった。
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