第31話 続・古代ローマ街歩きのススメ
コモ、ミラノ、ベネチア、ローマ、ナポリと歩いてきたイタリアでの旅程も最終日を迎えた。この後はローマ北部にある港町・チビタベッキオからフェリーに乗る予定を組んでいたのだが、フェリー出港は夜10時とかなり時間に余裕がある。そこで、せっかくナポリまで南下してきたのだからさらに南下してポンペイの遺跡を見学することにした。ベスビオ火山の噴火により一瞬で町が埋まってしまったため古代の街並みをそのまま残しているという情報は写真や映像で何度も見てきた。しかし、実際に自分がその中に足を踏み入れたことで感じられるものは、そういったものをきれいに上書きしてしまうほどのインパクトがあった。そこにあったのは、まさに街。通りがあって、商店があって、民家があって、神殿がある。歩けば歩くほど、どこか旅先で見知らぬ街をうろうろしているような感覚に襲われる。しかも場所だけではなく時代を越えた先にまで来てしまったように錯覚する。こんな面白い体験はなかなかできるものではない。イタリア最終日にふさわしい最高の時間だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます