第38話 エンジョイ古代遺跡

 スペインの次にやってきたのはギリシャ。明日のナージャでダンデライオン一座がギリシャで訪れたのはリゾート地として有名なミコノス島のみで、首都アテネなどの有名都市には立ち寄っていない。この旅の趣旨としてはミコノス島だけ行けばよいのではないかとも考えたが、神話と古代の香りが立ちこめるギリシャの地に立っているというのに、よりによって遺跡も何もないビーチリゾートのミコノス島だけを見て買えるのはあまりにももったいないというものだ。

 日程を変更しよう。その決心さえしてしまえば、そこからは早かった。ギリシャでのメイン滞在地をアテネのホテルに変更し、ミコノスはギリシャ出発前日に1泊する日程に組み替える。小学生の頃に夏休みの読書感想文の題材にしたシュリーマンの自伝「古代への情熱」に描かれていたミケーネへのアクセス手段を調べ、移動手段を手配する。またアテネ市内と近郊に多数存在する古代ギリシャの遺跡群の場所を洗い出し、歴史的背景を簡単に確認しておく。旅行は計画しているときが一番盛り上がるというが、まさにそんな気持ちだった。そして実際に回ったミケーネやアテネは、古代ギリシャの人々の暮らしと神話の世界が融合した、見れば見るほど好奇心があふれてくるような想像以上に素晴らしい体験となった。ありがとう直前で予定変更してくれた自分!やるじゃん自分!

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