第33話 チケット入手は早めに動け
地中海を越えてやってきたのはバルセロナ。フェリーがバルセロナの港に到着したのは夜8時を過ぎていたが、夏のヨーロッパはこの時間でもまだまだ明るく街も活気に満ちあふれていた。ホテルに荷物を置くついでにおすすめのレストランを教えてもらって夕食に向かう。なんでもカタツムリ料理が有名な店ということだったので、大皿にたっぷり盛られたカタツムリと、二人前はあろうかという大盛りパエリアを食べてバルセロナ初日の夜は静かに暮れていった。
翌朝、ホテルの近くにあるカフェで朝食をとりながらナージャゆかりの地をどのように回るかを考える。バルセロナでの訪問地はカテドラル、コロンブスの搭、サグラダファミリア、闘牛場、グエル公園など、わかりやすい場所が多いので巡回ルートの作成も容易だ。
しかし、実際に回ってみると、予想外のことが起こる。サグラダファミリアで入場チケットを購入しようと窓口を探していたのだが見つからないのだ。ぐるりと回りを一周してみたが、やはりチケットオフィスは見つからない。だが入場無料というわけではなく、入場時にチケットの確認は行われている。迷っていても仕方がないので近くにいた係員にチケットはどこで買えるのかと聞いてみたところ、ネットでの販売だけだと教えてもらった。そういうことならと、サグラダファミリアの前にある公園のベンチに座り、スマホでチケット購入ページを開く。画面表示に従いチケット購入画面を進んでいくと、この日残っているチケットは18時から入場のものだけというメッセージが現れた。そう、サグラダファミリアの入場券は時間指定制で、当日ふらりと行って並べば入れるというものではなかったのだ。完売していなかったのは幸運だったというべきだろう。
さて、運よくチケットは買えたものの、この時点でまだ14時。入場まで4時間もあいてしまった。何もせずに待っているのももったいないと思い、グエル公園を見に行くことにしたのだが、ここでもう一度同じ目にあう。そう、グエル公園のチケットも時間指定制だったのだ。しかも残っているのは20時入場のみ。サグラダファミリアで気付くべきだった、と後悔しながらも仕方ないのでチケットを購入し、サグラダファミリアを見た後に戻ってくることにした。前日の夜にカタツムリを食べ過ぎて動けなくなっている時間を使って多少は事前準備をしておくべきだったなと反省の一日だった。
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