第4章 初めましての三角形

第28話「来ちゃった」

雨だ!

久しぶりの雨だ!


会える!会える!

黒髪の彼女、ゆかりさんに。


い、いた!


私  「おはよう、ゆかりさん!」

ゆかり「おはよ。どしたの?」

私  「いや、ほら、雨、久々でしょう?」

ゆかり「え。そう、だったっけ?」

私  「え。ここんとこ、ずっと晴れて...」

ゆかり「あぁ、そう...だったね。」


何だか、今日はゆかりさんの様子がおかしい。


いつも、落ち着いているゆかりさんの面影がない。

何か、焦っているようだった。


「ねぇ!」

ゆかりさんが急に大きな声を出した。

少し、声が震えているようだった。


「ごめん、来ちゃった。」

私の背後から、声が聞こえた。


春樹!


私に気づかれないように、ついてきたのだろうか?

そう思うくらい、気配を感じなかった。

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