第6章 答え合わせ
第39話「落ち着いてからで」
待っていた。春樹が。
晴れの歩道橋で、いつもと変わらず。
息を切らして急いでやって来た私に、
驚いているようだった。
春樹「ど、どしたの?」
私 「いや、ちょっと...」
春樹「あーいいよいいよ!ちょっと落ち着いてからでさ」
急いで言葉をひねり出そうとしている私を、
春樹は慌てて遮った。
「じゃあ、ちょっと、待っててくれる?」
はぁはぁと息の荒いまま、この一言だけを絞り出した。
春樹はニコリと笑って、
「もちろん」と穏やかに返してくれた。
いつまでも続くと思っていた冬の季節が、
だんだんと春めいているような
今日は2月にしては暖かい陽気だった。
ただ、吹く風だけは、
まだ冬の寒さを感じられるようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます