第14話「また晴れた日に」

歩道橋から、海が見える。

冬は晴れていると、向こう岸の島がきれいに見える日が多い。

だから、一年の中で冬が一番好きだ。


今日は、春樹と晴れの日に会うという約束をした昨日よりも

さらに清々しい、快晴の日だ。


私の足取りは、自然と軽やかで、

テンポよく1段抜かしをして歩道橋をかけ上がる。


「おはよ」

穏やかな春樹の声がした。


「おはよう」

そう挨拶を返すと、私も穏やかな気持ちになった。


しばらくの間、無言のまま

ポカポカの日差しが二人を照らした。


春樹「じゃ、俺今日、そろそろ行くわ」

私 「うん。また晴れた日に」

春樹「おう。晴れた日に」


お互いに手を軽く振って、

歩道橋をかけ降りていった。

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