第31話「例の子」

春樹 「そ、そうだな!」

私  「ね!ゆかりさん!」

ゆかり「えぇ。」


3人で話そうだなんて突拍子もない提案に、

春樹とゆかりさんを半ば強引に引き込んだ。


これで何とかなったかな...


そう思ったのもつかの間、

春樹とゆかりさんが

ひそひそと二人で話し出す。


ゆかり「ねぇ。ちゃんとはっきりさせないと。」

春樹 「え、何が?」

ゆかり「あなたの例の子って...」

春樹 「いや、それは...」

ゆかり「私、薄々気づいてた。でも、気づかないフリしてたの。」

春樹 「分かった。でも、まだ待ってほしい」


二人だけの会話の空気。

春樹とゆかりさんが知り合いだという確証はとれた。


それと同時に、私は無性に疎外感を感じて、

切なさを押し殺して二人に呼びかけた。

「ね、ねぇ!」


この時の私は、必死だった。



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