第32話「紹介します」
春樹とゆかりさんが、
慌ててこちらを見た。
「あ、あぁごめん亜由美。」
春樹が気まずそうに微笑んだのを
見ていられなかった。
その間を取り繕うように
私は強引に話し始めた。
私 「春樹、紹介するね。」
春樹 「えっ?」
私 「こちら、ゆかりさん。」
二人が知り合いだという前提を取っ払って、
とにかく初めましてのように、軽やかに。
私の思いをくみ取ったのか、ゆかりさんは
自然に春樹に挨拶をした。
ゆかり「ゆかりです。」
私 「ゆかりさん、紹介します。
こちら、幼なじみの春樹です。」
春樹 「春樹です。」
私 「ね、二人とも。ケンカしないでね」
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