第35話「ローファーと一緒に」
母「私、この手紙読んだとき、思い出したの。」
私「えっ?」
母「亜由美がさ、当時、手紙書いたよって言ってたの。」
私「それ、ローファーと関係ある?」
母「だから、ローファーは、
高校入学した時期に家に送られてきたでしょう?」
私「いや、それは知っているけど。」
母「その時に入ってたの。ローファーと一緒に。」
私「お母さん宛の手紙が?」
母「そう、お母さん宛の手紙が。」
私「それで?」
母「当時、亜由美がね、自分に手紙書いたんだって言ってたの。」
私「え、どういうこと?」
母「当時、未来の自分の母と
未来の自分に手紙を書いて入れるんだって
亜由美が言ってたの。」
私「え、じゃあ私の手紙は?」
母「あなたが恐らく自分に宛てたであろう手紙が、
お母さん宛の封筒に入ってたの。」
私「じゃあ、お母さんに宛てた本物の手紙は?」
母「それがね、入ってなかったのよ。」
私「え...」
母「あなた宛ての封筒は、入ってなかった。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます