第35話「ローファーと一緒に」

母「私、この手紙読んだとき、思い出したの。」

私「えっ?」

母「亜由美がさ、当時、手紙書いたよって言ってたの。」

私「それ、ローファーと関係ある?」

母「だから、ローファーは、

  高校入学した時期に家に送られてきたでしょう?」

私「いや、それは知っているけど。」

母「その時に入ってたの。ローファーと一緒に。」

私「お母さん宛の手紙が?」

母「そう、お母さん宛の手紙が。」

私「それで?」

母「当時、亜由美がね、自分に手紙書いたんだって言ってたの。」

私「え、どういうこと?」

母「当時、未来の自分の母と

  未来の自分に手紙を書いて入れるんだって

  亜由美が言ってたの。」

私「え、じゃあ私の手紙は?」

母「あなたが恐らく自分に宛てたであろう手紙が、

  お母さん宛の封筒に入ってたの。」

私「じゃあ、お母さんに宛てた本物の手紙は?」

母「それがね、入ってなかったのよ。」

私「え...」

母「あなた宛ての封筒は、入ってなかった。」

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