第27話「年賀状は?」

春樹「あけましておめでとう。」

私 「うん。今年も、よろしくお願いします。」

春樹「年賀状は?」

私 「え?今まで一度も春樹に出したことないけど?」

春樹「今年こそあるのかと期待してたんだけどな...」

私 「何をいまさら。」

春樹「ま、それもそうか。」


冬の季節の晴れは、寒さの中に太陽の光が差し込む。

背中が...あったかい。


私 「冬の晴れの日って、好き。」

春樹「そう?」

私 「だってさ...太陽が」


言葉の途中で春樹が急に「あ!」と叫ぶ。


私 「どうしたの?」

春樹「やべ。今日は...」

私 「ん?」

春樹「ごめん、用があった。またね!」


春樹が歩道橋を去った後、

しばらく私は歩道橋に立ち尽くしていた。


もっと、春樹とお話ししたかったな...


そういえば最近、黒髪の彼女、

ゆかりさんにお会いしてないな。


一人になった歩道橋の上は

風の音が強く感じられるだけだった。



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