第24話「変わらないね」

寒い...


凍えるような寒さが続く12月下旬。

まもなく、クリスマスといったところか。


冬の晴天も、実は好きだったりする。

太陽が心地よく感じる、そんな季節だから。


そうか、クリスマスか。


私 「ねぇ、春樹ンち、

   今年はケンタッキーするの?」

春樹「あぁ。うちはホラ、クリスマスといったら、

   ケンタッキーだからね。

   昔から変わらないよ。」

私 「変わらないね。」


頭の中に、竹内まりやの

「すてきなホリデイ」が流れる。


私 「クーリスマースが♪」

春樹「今年もやってくるー♪」


お互いに同じ曲を思い浮かべたのだろう。

何か春樹と通じ合ったような気がして、

顔を合わせて微笑みあって、

続きを歌い出す。


歩道橋の両サイドから、

そう、端っこと端っこから、

一小節ずつ「すてきなホリデイ」を歌い合う。


そんな男女がいたら、それは私たちだ。


ねぇ春樹、

私たちはあの頃のように、

母と私と、春樹の3人でいた

あの歩道橋の時期のように、

そんなふうになれているのかな?


楽しそうに歌う春樹を見つめながら、

昔と同じような風景が、

今ここにあるのだと、

そう思っていたい自分がいた。




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