第42話「初恋の相手」

その日はいつもよりもどんよりした空の

疑いようもない雨模様だった。


今日は、ゆかりさんと会える日だと、

そう疑いようもなかった。


ゆかりさんに、相談したいことがあった。

このモヤモヤのままではいられなかった。


足取りは軽く、

だけど心には

ずっしり重たい石があるようだった。


私  「ゆかりさん、おはよう」

ゆかり「ああ、うん。おはよう」

私  「あのさ...ちょっと、聞きたいことあってさ」

ゆかり「うん、どしたの?」

私  「春樹のこと、なんだけど...」

ゆかり「珍しい。恋バナ?」

私  「えっ?」

ゆかり「分かるよ。亜由美、見てれば分かる」

私  「それは...」

ゆかり「春樹の、初恋の相手でしょ?」

私  「え...誰が?」

ゆかり「何言ってんの。あなたが」

私  「私が?」

ゆかり「自覚、なかったの?」

私  「いや、それは...」

ゆかり「私はすぐ気づいた。春樹の初恋の人が亜由美だってこと」



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