「書きたいけど、読んでもらえない作品」を書く価値は?

「書いてみたけど、需要がない! ウケない!」


結構、みなさんも悩む作品がいくつかあると思う。

オレなんか、しょっちゅうだ。




「これ、PV伸びない!」

「こっちの方が、思いの外ウケてる! 適当に書いたのに!」

「あれ、こっちのサイトだとこれがウケて、こっちだと別の作品が当たってる!」


わりとよくある。



書いている作品が、全然読まれない。

工夫しても、まったく手にとってもらえない。


そのとき、

「こんなの書いても意味がない。ウケる作品を書こう」

「いや、これは自分という読者のために書くんだ。完結させる!」

と、あくまで信念を曲げない人もいるだろう。




結論から言うと、

「受けるかわからないが、書いてみれば?」

とは思っている。


ただ、アマチュア限定の意見。


プロは知らんよ。

どう、プロの方がウケなかった作品に折り合いをつけているのかは、オレのほうが知りたい。



でも、書いて世に送り出してみること自体に意味はあると思う。


なぜかというと、


「書く行為自体が有意義な場合がある」


から。


自分の書きたいものを書くという行為に、価値があると思えばいい。



たとえば小説家の中には、

「自分の精神を安定させるために書いている」

とおっしゃっている先生もいる。


色々とご苦労があって、それでも吐き出したいものがあるんだと。

日々の生活を削ってでも書きたいものがあると。


つまり、「作品」というより「書く行為」には、何かしらの理念があるのではないか。

世間に出したくてしょうがなかった作品は、出せばいい。

出した上で、結果を検証する。

続きを書くか。

イチから書き直すか。

ゴミ箱に捨てるか。

それは、結果を確認してから再検討する。




気をつけたいのが、

「たった一作書いたくらいで、0か100なんてわかんねえ」

と、頭に叩き込むことだ。


最初から、うまくいくわけなんてない。


試行していないものが、ウケるかどうかなんて、そんな判断は、プロでも無理だろう。


大抵のアマチュアの人は、

「需要なくても書きます!」

というアグレッシブな人もいる。

そういう人はメンタルが強い。

読者ゼロでも書ける。

知らず知らずのうちにプロ化している人は、こういうタイプだ。

書くのをやめない人。苦じゃない人。気がついたら、プロになっている。



かと思えば、ある人は

「作家自体やめます!」

という決断を下す。

承認されなかったら、相手にされなかったら

「ああ、書いちゃいけないんだ」

と決断を下してしまう。


それは自由だが、「一作で人生決めちゃうの?」とオレは思ってしまう。


実はウケない理由って、「いうほどたくさん書いていないから」である。


どういうことかというと、

「試行回数を満足にこなしていない」ことが多いのだ。


数作書いてみて、全部ウケなかった。

その場合、

「ああ、自分は作家に向いていないんだ」

と考えない。

「ああ、『この書き方じゃダメ』なのかも」

と、頭を切り替える。


ダメだった作品を推敲してみて、再びチャレンジする。

その間に、新作の構想を練る。


推敲してもダメだったときに、そこで新作を執筆。


たとえば、オレはバトルファンタジーを書こうと思っていた。

でも、ウケない。

よく考えたら、

「オレはそんなにバトルファンタジー読んでねーわ」と気づく。


で、次なる一手として「ラブコメ」と「現代ドラマ」を書いてみた。

そっちを多く読んでいたから、得意かもと思えたのだ。


そしたら


・「ラブコメ」はカクヨムの編集さん限定コンテストで最終に

・「現代恋愛ドラマ」は、アルファポリスで日間一位になった。

・「ファンタジーコメディ」が、カクヨム短編コンの最終に。


といった感じの成績を残す。


つまり、色々と試してみると、色々見えてくるのである。



「たった一作だけ書いてみて、ちょっとでもダメだったら全部投げ捨てる」

これは実にもったいない行為だ。

20個くらい書いてみて、どれもダメだわーというときに、筆を折ればいい。

ただしその20個も、ぜんぜん違うパターンで書いてみる。


ホラーが好きなら、恐怖テイストに。

泣ける要素を入れたっていい。


ミステリが好きなら、推理好きにアプローチするタッチに。

ホームズ役ワトスン役の掛け合いも面白いかもね。


多くの成功者は数をこなす。試行回数が多い。

とあるラノベ作家先生は、

「編集さん相手だと1、2回しかチャンスがないが、ウェブなら40回以上試行できる」

とおっしゃている。


「下手な鉄砲も」といいたいわけじゃない。

「鉄砲を当てるには、練習が必要」といいたいのだ。


やっていけば、そのうち

「ウケなかった作品が、練習によって人に伝わるものへと劇的に変化」

する可能性だってある。


または、

「ぜんぜん違う話になったけど、これはこれでいい作品になった」

という例だってゼロじゃない。


これが、現時点でのオレの回答である。


プロの方ならもっといいアドバイスを得られるかも知れない。けど有料だろう。



ただ一つ、アマチュアのオレでも言えることがある。



「最初からうまくいくやつなんて、絶対にいない」



あなたの作品がウケない理由は、数をこなしていないだけだ。

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