私の頭の中のマツコ・デラックス ――「オレに何でも相談しろ」って女子に言うのは地雷よ!――

 先日、小説家さんのTwitterにて

「落ち込んで、窓辺で黄昏れているJKを励ませ」

 というお題が提示された。


 その中で多かった系の解答が、


「オレでよかったら相談に乗るよ」


 的なセリフだった。


 だが、妙な違和感があったのだ。

 女子って、そんな簡単に男子に心を開くの? と。


 そんなとき、オレの頭の中のマツコ・デラックスが言うんだよ。

「違うでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 って。







「『相談できないから』悩んでるんでしょうがあああああっ!」







 マツコの脳内説教は続く。


「あのねえ! 女子は気軽に男子なんかに相談しないの! できないの!」


「そんなもんなの?」

 脳内で、オレは反論する。


「そうよ! そもそも、そんなセリフを言って女子から喜ばれる相手なんて、今だったら『福士蒼汰』くんぐらいよ! イケメン相手だったら、何を言われても励まされるし、キュンとなるわよ。何でも話すかも知れない」


「『ただイケ』ってやつ?」


「でも、そうとも限らないわ。もし、その子が『意識している相手に弱い自分を見せたくない人物』だったら!?」


「あっ!」


「そうよ。『ありがと。でも、なんでもないから!』とか、『大丈夫だから! 今の言葉で元気出た!』って『強がられて終わり』よ!」


「そ、そうだよなぁ」


「感謝はされる。でも、根本的な解決には至らないでしょうね! そういう人はおそらく『いい人』止まりよ! そういう作品を何百冊、何千本も見て読んできたでしょーがっ!」


 なるほど、確かに。





「それによ。もし『アンタでは解決できない内容』だったら?」




「オレにも、相談できない話とか?」


「そうよ。たとえば、『好きになってはいけない人を好きになった』とか。『千石撫子』ちゃんとかそうよね? 彼女持ちのアララギ君を好きになっちゃった。そのせいで、彼女はヘビになっちゃったわよね」


 ああ、解答者が既に彼女持ちって可能性もあるんだ。


「もっと致命的なのは、『アンタの友人を好きになった』パターンよね」


 そうだ。盲点だった。そのケースも存在するんだ。


「『アンタの幼なじみ(女子)を好きになった』、『アンタの父親に惚れちゃった』なども、あんたには相談できないわよね」


 なるほど。そういう可能性だってあるわけだ。


 そう、脳内でマツコに言われてハッとなったワケよ。


「たしか女子って、『解決を望んでいるわけじゃない』」

 ことを思い出すに至った。

「話を聞いて共感してくれる相手が欲しい」

 のだと。


 こういうとき、男子は頼りない生き物だ。

 力になってあげられない。

 落ち込んだJKは、仲間の女子を頼るわけである。


 しかし、それでは心の膿はたまったままだ。

 吐き出されない。


 だったら、解答は、


「とりあえずメシ行こうぜ」


 だったのでは、と。


 バイト代が入ったなら、奢ってあげてもいい。

 

 で、食事に誘い、軽く雑談とか交わしながら、




「相手が話を切り出してくれるまで、じっとガマンして待つ」




 ってのが、真摯な対応だったのではないかと考えた。


 あれよ。「黙秘している犯人を落とすテク」と同じよ。 


 もし、何も話してくれなかったら、

「力になれなくてゴメンな」

 と心の中で詫びて、会計を支払って「またな」と去る。


 JKが求めているのは、おそらくこういう配慮だったのだろう。

『オレに相談できない内容』だったのだと、諦めるしかない。



 皆さんも、異性の行動パターン理解できねーわ、というなら、頭の中に「自分が想像できるリアルな異性」を脳内で飼うといい。

 

 できれば、「元同性」の方がいいかも。

 そうすると、「そいつ相手にエロい妄想をしない」し、「シビアな意見」がもらえる。


 こういうことばっか考えてるから、女性のフォロワーが多いのかも。


 ということは、オレが女子と間違えられるのは


「私の頭の中のマツコ・デラックス」


 のおかげってことか。



●補足

 上記の「相談に乗るよ」といった、シチュエーションは、「リアルだと」通用しないって話。

 実は、創作においては「最適解」なのかもしれない。


 それは後日お話する。

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