感想『大好きなことでお金を稼いで、独立をする方法』

「好きなことをやるべきか、人気作の模倣をするか」


 これは作家などのクリエイターにとって永遠の命題だ。


 かくいうオレも、


「なんで『異世界転生ブーム』がささやかれる中で、『スーパーカブ』のようなニッチさ爆発している作品が書籍化されるのか?」


 と、小説講座の講師に問うた事がある。

『スーパーカブ』の小熊ちゃんの行く末を追いかけている身としては、是非聞きたい理論だ。


「運です」と、バッサリ回答が返ってきた……。



 だが、俺の中で答えは出たかも知れない。



『大好きなことでお金を稼いで、独立をする方法  Kindle版』



 著者である中村あやえもん氏は、スモールビジネスで成功していらっしゃるクリエイターである。

 また氏は、心理学にも精通しているという。


 読んで字の如く、本書には

「好きなことをやって、成功するための秘訣」

 が書かれている。


●好きなこと自体で勝負しない。「ゴミ(副産物)」で勝負する


 宝石が好きなら、宝石自体を売るのではなく、

「展示会を開いて宝石の魅力を伝える」。


●自分にしかできない工夫を凝らして、ブランド化する。


 ソバが好きなら「ソバ」という大枠で勝負しない。

 ソバ好きで、さらに地元が好きなら「地元の食材を使ったソバ」で勝負する。


●他人に合わせる必要なんてない。リミッターは外すべきだ。

 

 好きなことをして人気が出ないのは、

・ゴミの価値が低い

・相手に価値が伝わっていない

 からだという。

 

 これは、ディズニーランドのたとえが分かりやすかった。

 いくらディズニーランドが日本にあるからといって、日本家屋が設置されていたら雰囲気ぶち壊しになる。

 また、○ッキーが日本の住宅街で騒いでいたら、みんな何事かと逃げ出す。

「独立したリゾート地」としてディズニーランドは存在するのだ。


 大事なのは、

「周囲の空気を取り入れたり、趣味の小出しはしないこと」

 だという。


 なので、「リミッターを外して」、顧客を置いてきぼりにする。

 そうすれば、作者の「ライフスタイル」に共感した人が来るよ、と。

 

●工夫した点が見極められていないと、金にならない。

 単に日記や、不満や愚痴をこぼしても、アクセス数は伸びない。

「辛いときは、自分だったらこうする」といった工夫が必要だ。


 など、納得させられる内容が詰まっている。


 これだけ書いても、まだ伝えたりていない。


 オレも最初、模倣がベストなんだろうなと思っていた。

 だが、こうやって成功している人を見ると、「自分を信じてもいい」という気持ちになった。


「どんなにマイナーなジャンルでも、ポイントを押さえれば興味を持ってくれる」


 という考え方は、思っていても実践できなかった。

 だが、恐れなくてもいいのだろう。


 人のマネなんてしなくていい。

 マネをすると「競争」になる。「頑張らないといけなくなる」。


「ゆるい創作」を提唱する身として、これ以上に勇気づけられる言葉はない。


 オレは最初、プライムリーディングで読んだ。

 だが、値段は99円。なので、即買いした。


 お買い得なので、興味のある方は是非。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る