読書感想文に何を読む?

 もうすぐ、冬休み。読書感想文の季節がやってきた。


 学生時代のオレは、読書感想文というモノが嫌いだった。

 ただでさえ読書嫌いな上に、自分が好きでもない本を読まされて、何が感想やねんと。

 よって、出したことがない。


 けれど、それは

「オレが面白い本を探す力ががなかっただけ」

 なんよね。

 

 世界中には面白い本が沢山あって、知れば知るほど余計に面白くなる。


◇実は、感想文というのは、大して難しくない。


 感想文を書けないって人は、単にアウトプットが苦手なだけ。

 SNSなどでいいので、ちょっとした感想なんか書いていれば、案外簡単にアウトプット力は身につく。


◇アウトプット自体が、創作に役に立つ。


 創作において重要なのは、アウトプットの習慣を身につけること。

 発信せずにはいられない、といった感覚を持ち続けること。

 好きか嫌いかではなく、呼吸するみたいな普通の習慣、感覚らしい。


◇本はなにがいいのか。


 ビジネス書は案外、役に立つ。今から金に関して興味を持つことが大切だ、と、どの専門家も言っている。

 今は組織に依存する時代じゃなくなっているので、自分で金の管理をできるようになるべきだ、と。


 あと、ビジネス書って、そんなに内容が難しくない。


 嘘だと思うなら、山田真哉先生の「さおだけ屋」でも読んでみるといい。おどろくほど分かりやすいから。

 本人も「女子大生会計士の事件簿」という小説出しているし。


 読み方としては、「自分が教える側になる感覚」で読むと、感想を書きやすい。

 それなら、読んだ内容をまるまる書いても、罰則にならんし。


 自己啓発系は読まなくていい。効果が自覚しにくいので。

 まだ現実的なビジネス書を勧める。


 小説も、ラノベでいいらしい。

 

 要は、感想書きやすい本を選んだらいいんじゃないかと。



 ただ、そんなんじゃ面白くないやん!



 そこで、感想文を書きやすい本というより、「学生に読んでもらいたい本」をまとめてみた。


●現役東大生が1日を50円で売ってみたら Kindle版

 高野 りょーすけ (著)


 これは今いいぞ!  

 今ならKindleアンリミテッドで無料だ!


 内容は、とあるホームレスの生き方に感銘を受けた東大生が、報酬一日五〇円で「なんでも屋」をやるという話。


 アスペルガーの子に数学を教えてくれという依頼で、自分が逆に教えられたり。

 ニューハーフとデートしたり。

 キャバクラで元殺人犯の客引きに会わせてもらったり。

 マルチ商法にハマっていた主婦と話したり。


 依頼者が多彩である。


 もうね、読むのはラストのエピソードだけでいい。

「勉強しない中学生と、息子に勉強して欲しい母親」

 の相談に乗るんだけど、東大生が言ったアドバイスが胸にしみるのね。


 カクヨム版より書籍版を是非!

 このエピソードがないんだよ!

 このエピを読んで欲しいんだよ!

 Kindle持っているヤツにダウンロードしてもらってくれ!

 それくらい、この巻末のエピは必読なので。



●ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

アダム・グラント (著), シェリル・サンドバーグ (その他), 楠木 建 (監修)


 出資に失敗した体験記を元に書いた、「独創的なアイデアを出す方法」をまとめた本。

 

 大学教授である著者は、

「アメリカってサングラスが高いから、安いネットメガネ屋をやりたい」

 という生徒数名から、融資を頼まれる。


「お前ら、内定決まってて、しかもやめる気ないやん。自分たちのやりたいことに骨を埋めるという信念が感じられない!」

 と、著者は断った。


 数年後、彼らはビルゲイツに迫るまでの長者となった。

 あのとき出資しておけば……。


 著者は自身の「先見の明のなさ」から学びを得ようと、本書の執筆に取りかかったそうな。


 海外の研究者の本なんだけど、対して難しくない。

 創作屋を目指すなら、一読の価値あり。



●アソビくるう人生をきみに。 好きなことを仕事にして、遊ぶように生きる人生戦略

あんちゃ(著)


 脱サラしてフリーランスで生きる、二〇代元OLの体験記。


 これは身につまされるのでは。


 フリーランスも決して楽な仕事ではない。

 

 タイトルで誤解してしまいそうになるが、本書は、情報商材系ブログにありがちな、


「ブログ運営して、楽して儲けよう」


 という、虫のいいことは書かれていない。

 フリーランスは実際、不規則で自己管理が大変な仕事だ。


「社畜として死ぬなんてもったいないから、自分の人生くらい自分で決めて、気楽に生きよう。その代わり覚悟は必要だけどな!」


 という、一種の「逞しさ」を教えてくれる。


「楽」の意味合いが違うのである。


「人生において不要な荷物は、ことごとく捨てろ」

 という意味だ。


 著者は女性だが、この生き方は女性という括りには決して縛られない。

 年齢も関係ない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る