アダム・グラントと蒼樹うめ

 声優・阿澄佳奈さんが中の人を務めるYouTuber


『NACHOCO Channel』


 にて、漫画家の蒼樹うめ先生が、インタビューを受けていた。


『マイナビ進学』とのコラボ企画であり、就職に悩む学生を対象にした作りになっている。


 内容は、クリエイターになった道のりと、作家志望者へのアドバイスだ。


 興味深かったのは、


【続・蒼樹うめ先生対談】激レアサイン色紙当たる!?【なちょこのアルバイト】


 にて、蒼樹うめ先生の「進路」についての話を聞いたこと。


 小さいころから絵やマンガは描いていた。

 ただ、「就活はしないと」と考え、ガッツリイラストではなく「デザイン寄り」の学科に通っていたとのこと。

「焼肉の注文装置のデザイン」を作る授業もあったらしい。



 そうやって、保険を掛けてつつ、『ひだまりスケッチ』の仕事をしていたとのこと。


 アドバイスも

「あまり、最初のウチから『自分には漫画家しかない』と思わない方がいい」

 と言っていた。


 他の経験も無駄にならない。

 絞っても保障はない。

 諦めずに続ければいい。諦めてしまう人は一杯いる。

 リーマンしながらでもできる。


 と、チャンネルでは締めくくっていた。



 オレはココに、アダム・グラント教授『オリジナルズ』と蒼樹うめ先生のインタビューの親和性を発見した。


 アダム氏は、ペンシルベニア大学ウォートンスクールにて、組織心理学を教えている。


 あるとき、氏は大学の生徒から、融資の相談を受けた。


 その生徒は

「サングラスのネットショップを開きたい」

 と相談してきた。

 

 アメリカでは、大手サングラス会社のグラサンがあまりにも高すぎるため、ウェブ内でオーダーメイドの安いサングラスを売りたい、その為の初期活動資金が欲しいと、氏に相談した。



 相談者に対し、アダム教授は

「内定決まってるんやろ。辞退したんか?」

 と尋ねた。


 生徒は、とある企業に就職が決まっている。



「いえ。会社勤めしつつ事業展開しようかと」

 と、その生徒は返す。



「アカンアカン! 内定辞退せんと! そんな中途半端な気持ちでやる事業なんて絶対失敗する! 融資なんかせえへんぞ!」

 教授は激高し、融資を突っぱねた。


 数年後、そのサングラス会社の売り上げは、大手を軽く超えた。


 この融資話を引き受けていたら、アダム氏も儲かっていたのに。


 この失敗をバネにして、氏は「オリジナルズ」という本を手がけるのだ。


 人は、

「副業として、保険を掛けて事業展開」

 した方が、専業で事業を興す」より、

「三〇%も倒産率が低い」

 という統計が出ている。


 うめ先生のアドバイスは、実に理にかなっているのだ。

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