雷帝/mixing goddess / こたろう様

 いあ いあ くとぅるふ ふたぐん


 いつもニヤニヤ貴方の背後に這い寄るホロ酔い、にゃるらとせらくです。


 挨拶ついでに自身の存在を変質させられるのも文字表現の愉しみのひとつかもしれませんね。

 でもやることは変わりません。レビューいきましょう!


 

 雷帝/mixing goddess / こたろう様 

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882693325



○●○●○●



 厨二要素前回のバトルファンタジー!


 世楽の好みとしてはわりと好き。

 しかし、この手を小説単体で楽しんだ覚えがあまりありません。


 何かしらの映像が付いた媒体で楽しむ方がしっくりきます。

 あるいは声優さんが叫んでくれていることが大事なのかも……?

 閑話休題。本題本題。


 

○●○●○●



 惜しい!

 ノリノリになりたかったけどなれなかった、というのが正直な感想です。



 まづは良い面。


 物語の冒頭、第一話から壮絶な死闘が繰り広げられます。

 文章に少々野暮ったい印象を抱きましたが、変に格好つけるよりも良いですし作品のテイストともマッチしています。台詞は少なめでも戦いの様子の描写はキチンと成されています。

 またその戦いが壮絶を極める理由、主人公の感情面も描かれているので単なるグロやハード描写になっておらずバトルファンタジーの名に恥じない出だしだと感じました。

 以降もギミックに関する細かい描写など、作者様の作品に対する熱量を感じられる仕上がりとなっております。


 ここまでだと冒頭のノリノリになれなかったのは何故だという気がしますね。



 では続いて悪いと感じた面を。

 大きく分けて2つあります。


 1つ目はベンチマーク基準点が提示されていないことです。

 魔法と科学の両方が存在し発展した世界。

 壮絶な過去を背負った機械の身体を持つ男。

 彼が向かうは悪名高い都市インファマス。

 燃えるワードが並びます。正直、興奮しますね。

 しかし、それらがその世界においてどれだけ凄いのかひいてはどれだけ逸脱いつだつしているのかが描かれていないと読者はイマイチ熱狂できないのではないでしょうか?

 作中、メアリーという少女が抱く信仰について少し触れる描写があるのですが『こんな世界のこんな場所で暮らしていてそこまでの信仰を抱くか……?』と私は思ってしまいました。

 作中世界の普通が掴み切れないといろんなことがピンとこない気がします。


 そして2つ目は主人公アシュガルの人格です。

 壮絶な過去を背負っていますが、案外と茶目っ気とサドッ気があり女好きな印象です。それ自体は良いのです。人物の歴史と人格はイコールである必要はないのだから。

 ただ、現段階では多くを語られていない過去の女性の影や機械の身体という事実がある。

 それを踏まえていまの彼の言動を見ていると『なにを想ってそう振舞っているんだ、コイツは?』という疑問が付きまといます。アシュガルの好みというか性癖(?)が普通と多少逸れたところにあるからか余計にそう感じます。

 ……個人的にはわりと分かる性癖ですけどね。


 最後に、少し気になる点を挙げます。


○ルビが少ない。しゃがれ声あたりにはルビが欲しいかな、と思います。

○あまつさえ。使いすぎな気がします。たまに誤用ではと感じる場面もあります。



 悪い点ばかり長々と書いてしまいましたが、確かな熱量が込められた作品だと感じました。

 レビューする気で読んでいなかったらもっとノレていたのかもしれません。


 

○●○●○●



 映像作品は受動的に楽しめますが、小説は自分が読み進めないといけない。

 それゆえある種の『納得感』を得られないと読者は楽しんで読み進めることが出来ない。


 それをどうやって与えるか。

 その量やタイミングは?

 そこら辺のコントロールを小説を書いていく上で意識する必要があるのだろうと感じたレビューでした。


 今夜はお酒を嗜んでから寝ましょう。

 銘柄はそう、

 ポート『シャーロット』にしよう。


 ウェヒヒヒ(ゲス笑い)

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