エクストラレビュー / あいのことば / 奈月沙耶様
さて、前回の不穏な引きからの~!
世楽的グランプリ、親に読ませてみたいで賞!
あいのことば / 奈月沙耶様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884029185
コチラ作品に対する世楽のとーちゃんかーちゃんの反応をお届けします!
世楽は有益な情報を得るためなら両親さえモルモットにする……!
世楽の両親は健在! 世楽の良心は……。
ゆけっ!
●○●○●○
Side母
反応は好評でした。
母の言葉を要約すると、
『救いのあるいい話だけど、いい話にしようっていやらしさや押し付けがましさがないのが良い。ウルッときた』とのことでした。
概ね世楽の感じたことと同じような反応です。
というより、母はこのレビュー企画を読んでいて世楽が依頼する前に勝手に(?)あいのことばを読んでおりました。
個人的に好きだった作品であると同時にレビューに苦労した作品なので、レビューを見てからの読書に差し障りがなくて良かったなぁ思います。
というより……
感情の流れやすれ違いを描く淡いタッチの物語ってどうレビューしたら良いんでしょうね?
ストーリーラインをなぞってもそれだけでは凡作にしか見えませんし、作品の良いところはそこではありません。
かといって描かれる情緒を公開してはネタバレではないにしても台無しじゃないか? とも。
じゃあ描写が優れているし救いのある話なんだから作者様の技量や人格を持ち上げるか? とんでもない! 作品の価値を作者様のなんらかで担保するなどレビューじゃないぜ!
各人物の感情を描くことで悪者を作らない構造を練られたであろう作者様の優しさを私は確かに感じました。
(まあ、安易に悪者を作って落ち着けるようになんてしてやらないぞという意図もあるでしょうが)
が、しかし!!
レビューにおいて『この作者様の優しさが~』とは私は語りたくなかったのです。オブラートに包まれない優しさが良いのに、私の方で『優しさのある作品です』なんてオブラートで包むわけにはいきませんからね。
と、世楽は結構ムキになってレビュー文章を書いていたのでした。
いまだから言えます。
奈月様は、優しいお方です。
そして同時に間違いなく確実に意地悪な方ですね!
掌返しが清々しいですね。
ええやろ!? 二次会やぞ!?
掌くるっくるぅ~♪
わー! ドリルだよー!
●○●○●○
Side父
反応は不評でした。
父の言葉を要約すると、
『まったく響かないしピンとこない。なにが良いのか分からない。文章が綺麗だとも思えない』とのことでした。
割れましたねぇ! 意見が!
一応捕捉すると父はキチンと通しで2周、引っかかった箇所は3回読んだ上で自信を持って上記の評価を下しました。
詳しく聞いてみると、展開と作中人物のやり取りを中心にリアリティを全く感じなかったようです。結果としてこの作品の描く情緒に辿り着くことなく字面で見ただけの内容に対して『なに言ってんの?』という感じでした。
父は私に訊ねました。
「じゃあ、コレのなにが良くて感動したんだ?」
世楽は内容に触れつつ、いままでレビューで語ったようなことを伝えました。
父は黙って私の言葉に耳を傾けてから頷きました。
「なるほど、そういう受け取り方をする感性があって、感動する人がいる。そういう感性がある、ということはわかった」
あれですね、失敗に終わった科学実験に対する評価みたいですね。
この方法では望む結果は得られない。
そういう知見が得られた。
みたいな。
これはいわゆる『感性が合わない』問題だと思うのです。
私もレビュー本編であったから分かるのですが、『あっ、むり』と感じてしまったら終わりです。
そういう作品はその後になにが展開されようが空虚な文字列にしか成り得ず『あ、ふーん』以上の反応はまづ出てこないでしょう。
これって家族間でも普通にあることなんですねぇ(しみじみ)
●○●○●○
意見交換の後、父がおもむろに語り始めました。
ピラミッドは地上から見たら三角形。
上空から見たら四角形。
ピラミッドの形は三角か四角か。
どちらも正解。
自身の意に沿わない人物がこうやってサッと、
筋の通った返しをしてくると言葉にならない感情が生まれますね。
感心と反発、みたいな。
ついに家族まで巻き込んでのレビューでしたが、言いたいことは至極簡単!
感性は十人十色。
皆違って、皆、良い。
書き手としては大変ショックなことですが、
自分とは違う方向からピラミッドを眺めてる人がいるということを念頭に置いておくとヘンな空回りをしないで済むかもしれません。
皆違って、皆、良い。
変に張り合ったり、傷つけたりしないこと。
それが大事なのかもしれません。
●○●○●○
あいのことばに対する各々の意見が出終わってからのこと。
母は私に言いました。
「(父のこと)ああいう感想が出るとはねぇ、わからないねぇ」
私は母に茶化して返しました。
「あなた、あの人は長年の付き合いのダンナですよ?」
母はカラカラと笑いました。
「人の感覚がわかるわけ、ないよねっ!?」
世楽家では会話のキャッチボールは鉄球にて行う。
害意はなくとも、真実で相手の胸が潰れることを厭わぬストロングスタイルなのだ。
自分に正直っ!
めごっ、しゃぁぁ……!
(鉄球がアバラを砕く音)
菜月様ありがとうございました!
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