本編
!辛口注意!神々のギフト / ワン様
先日美術館に行ったおっさん、世楽です。
天才と称される画家の方々の新たな試みの遍歴。
絵心のない世楽ですが、小説を書き始めてからは、
そういった作品を眺めているとたまに震えるときがあります。
「おるやんけっ! この方、ここにおるやんけっ!」
綿密な描写を重ねに重ねても損なわれることない全体の調和。
視覚情報のみで構成されているはずの人物画に宿る存在感。
「……3時間位この絵の前で粘ったら、このおっさん喋りだすんじゃね?」
そんなことを想う、世楽でした。
さて、今回はコチラ!
神々のギフト / ワン様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884751340
○●○●○●
この小説は剣と魔法が出てくる学園ファンタジーな作品でしょう、多分。
おそらく、王道ライトノベルのラインに位置するテイストでしょう。
私はわりと好きな感じです。
このテの作品は尻切れトンボになりがちなことを除けば……
歯切れが悪いですね。
……腹を割って話そう。
16話まで読んだんだけど、掴めなかった。
多分きっと、こうなんだろうな。おそらく……メイビィという印象から抜け出せませんでした。
ワン様、申し訳ありません。
以下、歯切れの悪い酷評が続きます。
お付き合いいただけましたら幸いです。
○●○●○●
最初に白状します。
この小説は読者を置いてきぼりにしてしまっている、というのが私の評価です。
この物語は主人公アルスが王都で唯一の学園シグルズに編入するところから唐突に始まります。
唐突にスタートするわけですがソレにも彼の父ハールとその仲間による思惑が絡んでいるようです。
今まで学校というものに縁がなかったらしいアルスの寄りの視点で展開されていきます。
話の舞台となる学校というものに触れてこなかった人物を起点にすることで世界観を開示していくという構成でしょう。
しかしながら、
正直その設定開示、情報開示がイマイチ煮え切らないのです。
結果として、私にはまだこの小説の世界感が掴めていません。
私が考える理由としては、
主人公アルスの思考と作者様の思考が分離しきれていないことが挙げられます。
アルスは過去に問題を抱えております。
いままでの人生を旅ばかリしていたそうです。
そしてその割にはボォ~っとした印象を受けます。
またときおり作者様が知っていることをアルスもまたうっすらと知っているような動きを見せます。
人物像が掴めませんでした。
また、話が進むにしたがって展開が早足になっているようになりました。
兵士クラウスが現れたあたりから随分と理解が追い付かない展開が増えてしまいました。
「いやさ、もうちょい……こう、あるだろ? 解決法がさぁ?」
首を捻ることが増えました。
○●○●○●
世楽は首を捻りながら読了した。
作者様の描きたい世界観を自身も想像しながら。
世楽は首を捻りながらレビューをしている。
自身の想像に基づいて再構築した世界観を紹介しているからだ。
世楽は首を捻りながら夢想する。
しかしこれは社会一般ではよくあることだと。
すり合わせされていない組織の目的や個人の想い。
そういったものが生み出す、すれ違いに無駄やムラ。
人は常に不完全な幻想を抱き共有しながら生きているのだ。
それは人生をかけた壮大でくだらない茶番ではなかろうか?
現実はクソゲー、というのはその点で事実であると言えるだろう。
「だが、それでも」
世楽は大人だ。
アラサーになるまで生きてきたのだ。
自分で言い出したことぐらい完遂してみせるさという気概がある。
世楽は再び首を捻り始めた。
「世楽は出来る」
「世楽は賢いので」
「世楽は出来る」
「世楽は大人なのです」
メトロノームのように首を捻りながら。
ついに世楽はレビューを完成させた。
首を捻り、首を捻りを繰り返して。
そしてついに世楽は ――
ワシミミズクになった。
「おぉい、かばん~! かれーらいす、つくるのです」
「あたまをつかうのに、えねるぎぃがひつようなのです」
「かばん~! どこですか? ハカセもサーバルもどこですか~?」
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