プロ=市販されてるブレンデッド、我々=樽詰めされた原酒

 今回の例えは本質的な優劣ではなく、構造の違いを述べるものです。

 私が皆さんにお伝えしたいことの理解のためにウイスキーを例に挙げます。


 まづはプロの作品。

 こちらは作家本人と出版社等のブレンデッドウイスキーでボトリングも完了しています。


 そして我々の作品。

 これは個人によるシングルモルトで樽詰めされたままのものです。


 はい。ここまでで得心いった呑んべいな方は今夜はここまでにしてお酒呑んで寝てください。  


 イキナリこんなこと言われて『???』な方は捕捉説明行ってみましょう!



●○●○●○



 まづ、ウイスキーの作り方から(!?)


 原料を発酵、蒸留後に加水してから樽に詰めます。

 樽に詰めて熟成して最後に(基本的には)加水してからビン詰めを行い完成。


 覚えておいて欲しいのは樽にて熟成されたウイスキー原酒と市販のウイスキーは違うということです。

 原酒のアルコール度数は60%越えで市販品は40%台であることも覚えておいてください。


※カスクストレングスみたいな例外を持ち出す子はスピリタス一気な♪


 そしてブレンデッドウイスキーとは複数の原酒を混ぜて作ったウイスキーです。

 反対にシングルモルトの原酒は一種類のみです。


※シングルモルトだってブレンディングはしてるって? はは、スピリタス……!



●○●○●○

 


 つまりはこうです。


 市販の小説とは、

 小説家という原酒①と編集者やその他諸々の関係者という原酒②を混ぜた後、

 加水していわゆる一般的なアルコール度数に調整されたものなのです。


 対して我々の作品は、

 私たちという原酒でのみ構成された樽詰めされたままのウイスキーなのです。


 単純にアルコール度数がまるで違います。

 そして構成している要素も異なっているのです。

 これをこのまま同じもののように扱い評価テイスティングすることは可能でしょうか?


 テイスティング出来る方もいるでしょう。

 素人ながらに研究して原酒に加水を行い、市販品と同じような物を作れる人も存在はするはずです。

 しかしそれは、例外的な存在だと思います。



●○●○●○



 ウイスキーを例に市販の小説と我々の作品の構造的な違いを述べてきました。

 

 要約すると、

 造りが違うのだから同じように評価するとおかしなことになるということです。


 では次回はこの例えを元に私が基本的に辛口評価はしなかった理由を述べていきたいと思います。

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