辛口評価はナンセンス!だってYOU!編集ちゃうやんっ!?

 前回、市販の小説と我々の作品との構造の違いを述べました。


 市販の小説はアルコール度数40%台のブレンデッドウイスキー。

 我々の作品はアルコール度数60%越えのシングルモルトの原酒。


 この違いを気にせずに市販の小説と同じように個人の作品をレビューするとどうなるのでしょうか? 



●○●○●○



 まづ、分かりやすく前者の方から。


 市販の小説を購入した方が辛口レビューするのは問題ありません。

 なぜなら、市販の小説は「売るために調整されたもの」だからです。

 プロの小説家の方がいて編集の方がいて、商品として成立させるための作法に則って作っています。

 それを買って読んだのなら良いも悪いも語って構わないと思います。


 お客様は神様だから、ではありませんよ?

 金を払ったんだから罵詈雑言も、可?


 ……ケツからスピリタス(ぼそっ)

 いえ、なんでもありません。



●○●○●○

 


 では、我々の作品を同じ調子でレビューしたらどうなるのでしょう?


 成り立ちませんね。

 まづ商品としての構成になっていないものがあると思います。

 読むにせよ、味わうにせよ、市販の小説とは少し違う姿勢で挑まなければ、

 素人作品の良し悪しは見えてこないことでしょう。

 

 おまけに辛口レビューというのは細かい部分にも触れていくということです。

 この細かい部分含め市販の小説の構成には編集者が多く関わっているでしょう。

 そういった編集者の担当している部分も含めてああだこうだと言ってもナンセンスではないでしょうか?

 編集者も含めて受け止めるべき言葉を作者1人で担当しなければならないのですから。


 結果として市販と同じノリで辛口で評価しても悪口にしかなりかねないと思うのです。


 書いた側は

「なら、お前! 編集者になってくれよ!」

 と思うでしょう。


 反対に読んだ側は

「なんで、俺の知ってる小説と違うんだっ!?」

 と混乱することでしょう。


 そしてここで読んだ側の要求、

 市販の小説と同じように読める作品を用意しろというオーダーは、

 プロの作家さんでも1人ではなかなか出来ることではないと思うのです。



●○●○●○


 

 まとめると、

 2人以上が関わって作られた市販の小説と基本1人が書いた素人作品は同じノリで評価するとおかしなことになるということです。


 細かい部分に迫れば迫るほどレーベルの規定やらなんやらが絡んできます。

 そしてそこまでつつくのであれば、あらかじめ細かーいレギュレーションまで規定しないとなりません。

 流石にそれは難しいと思うのです。

 それに、素人(読み手)が設定したレギュレーションというのもあまりアテにならない気がするのです。

 更に言えば、そこまで調整が出来る作品を書けるのなら新人賞に応募したほうが早いでしょう。

 

 では、どうすれば良いのか?


 甘口レビューではためにならない。

 辛口レビューのさじ加減は市販の小説と同じでは成り立たない。

(そしてこれが私があまり辛口でいかなかった理由です)


 結局の所はレビューする側とされる側との同意が必要になるのだと思います。

 ある程度は辛口でいくとか、こういう想定で評価するとか。

 そして、そういう機会は案外少ない。


 これが素人作家である我々にとって有用なレビューが少ない理由となります。


 

●○●○●○



 とりとめのない感じになってしまいましたね。


 しかし、レビューらしいレビューとなかなか出会えない現状とその訳を知っておくことで、へんな空回りというかギャップに悶々とせずにカクヨムライフを送れるのではないかなと思います。


 次回はどうしてこういうことを書いたのかに触れていきます。


 

 編集者による調整の中身が分かっていればもっと内容が膨らんだのかな……。

 いや、そこは気にしても仕方ないな。

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