神庭琵琶夢語

島国の神庭を旅している盲人の小雪は、祭りを終えたばかりの火白に滞在中、御上へ楽の献上を命じられた師たる朱鷺の伴奏をすることになった。当代一の琵琶師の演奏が響きわたった宴席は、たちまち拍手喝采。演奏を気に入った御上の命で、師弟は火白城に滞在することになる。
だが、小雪たちは所詮、流浪の琵琶師。法政大改革による差別のない世を目指す御上の理想に賛同する正成や義忠、御上の生母である白千の方と語らい交流していても、身分を重んじる多くの者らに快く思われるはずもない。何かを探るような御上の視線に小雪が惑い、逃げようとする間に、身分による不平等をよしとする者らの思惑に巻き込まれてしまい――――



※近況ノートに設定裏話があります。
一　…続きを読む