概要
『侵蝕』される世界で戦う一人の男
異世界からの『侵蝕』を受ける都市イフリヤ。そこで『侵蝕』が生み出す怪物〈喰禍〉と戦う青年、アグレイはある日、孤児院を営む少女キクと出会う。孤児院を『侵蝕』によって失ったキクの心の傷を癒そうとするアグレイは、自身の荒んだ心境に変化が訪れることに気づく。やがて『侵蝕』が激化していく中、自称詩人のユーヴや旅人のリューシュらが仲間に加わり、アグレイは『侵蝕』を止めるため、〈喰禍〉の首領と戦う決意をした。しかし、その戦いでアグレイが目にしたものは……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ラノベとしては正統派なんだと思う。素直に楽しめる。
初老の私はラノベに馴染みがありません。格好良く言えば、正統派読者、いや古典派読者か。つまり、読者に先を見透される小説は駄目。そう思い込んできたのですが、カクヨムに彷徨い込んでからは、お約束事の展開も有って良いかな、と思うようになりました。それでも、余りに御都合主義が続いたり、堂々巡りばかりで深みの出ない作品には食傷気味になるのですが、本作品は楽しく読めました。登場人物の人間関係はお約束通りですが、丁寧に繰り広げられているので安っぽくは感じませんでした。
ところで、大竹さんのレビューは厳しいですね。とは言え、指摘事項に全て頷いてしまいます。でも、私はやっぱり星3つかな。 - ★★ Very Good!!綺麗にまとめられたライトノベルの良作
本作はライトノベルである。 それを前提としてレビューします。
ライトノベルというと、安直なキャラクター設定、難解な定型句を重ねたお定まりの描写、理屈のないストーリー展開、妄想の強い舞台設定などが特徴であるが、本作もその呪縛からは逃れられていない。が、呪縛ありきのライトノベルと割り切って読むと、それほど出来が悪いわけでもなく、分かりやすいキャラクターや、案外読みやすい文体、丁寧なストーリー展開など、存外ストレス無く読み終えられる。が、逆に、それだけライトノベルとしてのライトノベルらしさは失われているのかもしれない。
本作の長所は、やはり読みやすさ。読解上のストレスがとにかく低い。ここ…続きを読む