ジャンク&ジャンクション

 怒涛の平成17年が終わり、運命さだめの年、平成18年が始まりました。


 最後に残った1月の小パーティ。仕事の都合で、次のパーティ申し込みまで少し間があいてしまいます。ここである程度結果を残していきたいところです。

 実はこの時点で、おつきあい継続中の女性が複数いましたが、やはり多いほうがいいものです。なお、その女性は、Lさん、Nさん、お相手書類から発展してまだ会っていないXさんの3人です。Mさんとはあまり連絡がとれず、残念ながら自然消滅しました。


 3又とは私の人生最大数ですね。俺も偉くなったもんだぜ!


 今回のパーティはZの中では最も小規模なもので、やはり男性が数分で席替えするシステムでした。少人数なので番号のやりとりはありません。経験を積んで少し余裕もできたこともあり、落ち着いて参加ができました。

 新たなるパワー、お愛想仮面マスケラ・ディ・ソリーゾは、とある理由でガムテープ補修していたのですが、それでも存分にそのチカラを発揮しました。


 そしていよいよ二次会です!


 二次会参加者は、女性が、Rさん、Sさん、Tさん。男性が、U氏、V氏、そして私の男女同数計6人でした。二次会の声をあげたのはRさん、Sさんが店を決め、Uさんと男性がメニュー決定、後で私が支払いの幹事役を務めました。

 かなり盛り上がり、連絡先を交換し、今日はうまくいった、瞬間最大6又だぜ!と思いました。


 しかし……


 集金したお金で支払いを終え、店を出た私を待っていたのは、ふてくされたように佇むU氏とV氏の姿でした。


「あ、あれっ、女の子たち、どうしたの?」

「……さっさと先に帰ったんですよ。こんなもんですよ」

「……そっかあ」


 あんなに意気投合したのに、またね、の言葉もなしかあ。

 確かに、ドライなもんだなあ……

 そう思った私でしたが、事実は違っていたのでした。


 次の日。Rさんから電話がかかってきました。


「トイレでさ、他のコたちと今日の人たちイイ感じだね、って話してたのに、外でたら、誰もいないじゃない? ひどいなあってプリプリしながら帰ったから、まだレジにいたはずの貴方のこと、忘れちゃったの。ゴメンね」


 ……行き違ったんだ!


「尻鳥さんはそこらへん、大丈夫みたいだから、こないだのコたちと今度また飲みにいかない?」


 もし、私たちがカナヅチではなく、カッパのように泳ぐチカラを持っていたら。


 U氏とV氏は、前もって外で待ってることを明るく告げるか、女性たちに「お化粧直しするよね」と目の前でトイレに行きやすくする言葉をかけるでしょう。

 RさんとSさんとTさんは、外で待っててね、すぐ帰っちゃやだよ、と可愛く告げるでしょう。

 したがって、こういう行き違い自体がそもそも起きなかったでしょう。


 また、経験から行き違いの可能性を考えることができるので、少し待ってみたり、せっかく得た携帯の番号へ、すぐに電話をかけてみたことでしょう。

 それを試さなかったのは、彼らの言葉から判る通り、根強い不信と思い込みがあったからです。

 そして、彼らの言葉を否定しきれなかった私自身の心の中にも、その不信と思い込みが、確かに存在していました……


 あるいは彼らは、すべて推測できた上で、あえて彼女たちを後腐れなく切り捨てるために現状を放置したかも知れません。彼らの言葉には、その様子は微塵もありませんでしたが。


 そして私は。


「あのね、Rさん、たった今、本当のことが判ったから言うね。ちょっとだけ聞いてほしい。いい? あのとき僕達はとっても楽しかったよ。それでね、誰かをかばうわけでも、誰かを責めるのでもなくてね、ただ本当は何が起こったか伝えたいんだ」と、落ち着いた口調で前置きしてから、真相を話した……


 ……のだったら良かったのに。


 後知恵って素晴らしい。


 でもそのときの現実の私は、気後れと、どう話したら誰も傷つかないのか判らない戸惑いなどが胸に渦巻き、あいまいな返答をしてしまったのです。

 Rさんは私を不快にさせたと勘違いしたらしく、気まずく電話は切れました……


 私たちは皆カナヅチでした。


 皆、異性に対する積極性はそれなりに持っていました。

 それでもこれは。


 恋愛弱者ジャンクすれ違いジャンクションに他ならないのでした。


 そして、そのときの私は、彼女たちを「振った」罪悪感でいっぱいでした。


(なんでダーリンが振ったことになるの?)


 私の基準では、そうなるんだよ……


 では、なぜ、こんな場合が「振った」ことになってしまうのか。

 それは次回、私の過去にあったことを書きたいと思います。


(今日体重計った? 昨日食べたもんねー)


 1kg増えた……

 ハニー、愛してる。

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