メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ミー
御眼鏡にかなう人
「(コツみたいなものは)ございます」
「えっ」
自分から聞いたとはいえ、Zのカウンセラーさんの返す言葉には驚きました。
そんなものが本当にある……?
「お相手の女性が眼鏡をかけていても、断る条件にしないほうがよい、と思います」
「眼鏡、ですか……」
帰宅後、カウンセラーさんの言葉の意味について、色々と考えてしまいました。
単純に考えれば、眼鏡をかけている女性会員が多い、というだけのことです。
カウンセラーさんも別に意味深に語ったのではなく、単に、沢山の(統計的なほどの)事例を目にしている、というだけのことでしょう。
でも、なぜ、と考えると、何かが見えてくるような気がしました。
女性がコンタクトにせず、眼鏡をかけるのは、色々な理由があります。
コンタクトが目に合わない。眼鏡が好き。マニア受けを狙って、等。
Z会員の女性はなぜか、目が悪いとかコンタクトが合わない人が多い、なんてオカルトがある訳ありません。眼鏡好きな人、マニア受けを狙う人が集まる、というのも変な話です。
私自身も眼鏡をかけていて(当時)、「
(私が眼鏡かけるようになったら大喜びしたもんねー)
だからこそ逆に、まったく差別なく断言できるのですが、一般的には、あくまでも一般的には、眼鏡をかけている女性は、おつきあい相手として比較的受けいられにくい傾向にある。それは「男女共に持つ常識」です。女性のカウンセラーさんが男の私にわざわざ、「眼鏡をかけていることがマイナスの条件になりうる」前提で話をしたのですから。
沢山の普通の人々に拒まれないことが大事なはずの場所で、コンタクトにすれば済むことなのに眼鏡をかけているということは、それがその女性の主張・こだわりである、と考えられるのではないでしょうか。
「(眼鏡をかけている)これが私、変える必要のない、ありのままの私」と、結婚相談所に集まる女性はより強く思っているからではないでしょうか。
もちろんその主張そのものは、誰もが持っているとは思いますが、女性会員たちは特にそう思う傾向がある……?
いや、まてまて。それだけじゃないぞ。
女性会員にそういう傾向があるとしたら、理屈として、男性会員にもそういう傾向は当然あるだろう。
カウンセラーさんは、女性の入会希望者にこう言っているかも知れない。
「お相手の男性が〇〇でも、断る条件にしないほうがよい、と思います」と。
もちろん〇〇には、変えようと思えば変えられるけど、本人のこだわりから、あえてそのままにしている、ごく一般的なことが入ったりして……
だとしたら。ひょっとしたら。仮定に仮定を重ねるとしたら……
結婚相談所に来る人は、男女とも一般的傾向として、いわゆる「承認欲求」が普通よりも強いとしたら……
そしてそのポイントをクリアできれば、カウンセラーさんが気づくレベルで、統計的に成婚率があがることになる!
自分を認めてほしいと思うことを抑え、お相手をより理解しようと勤めること。それを第一に考えるだけで、強力かつ迅速なアドバンテージ・作戦になりうる!?
ひょっとしてモテる人にとってはごく当たり前の事実かも知れませんが、自分の考えだけでこの「真理」に達したことは、とても意味のあることだった、と今にして思います。
よし、この真理を応用した活動を、「
(また変なネーミングしてる)
ようやく抱いた、わずかな希望を感じて、私は婚活を始めました。
……すぐに、その「真理」の非情さに打ちのめされるとも知らずに。
控えめに言ってもボロ負けですよ!
次回、「これがプロの洗礼か」、お楽しみに。
いつのことだったか。
友達との電話で「彼はいちばん理解してくれる存在だから」と、君は私のことを言ってたよね。君がそう思ってくれていて、とても嬉しいよ。
(そんなことあったっけ?)
ハニー、愛してる。
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