その名はヴェルジネ・アールマ!
恋人を持つと、いくらかかるでしょうか。
人によって違うと思いますが、平成28年の現在、ある試算によると、月々のデート代で平均2~3万円使うそうです。
加えて、1~3年に一度は旅行に行き、平均20~30万円使うとか。
その真偽はさておき、それなりのお金を使う必要があるのは間違いありません。お金のかかる嗜好を持つ私のようなオタクにとっては、なかなか痛い出費です。そんな計算をするオタクはモテなくても不思議ではありませんが。
なお、それなりの金銭感覚を持つかたならすぐお判りのことと思いますが、この出費を「収入に対する負担」と考えるなら、たぶんどれだけ時代が変化しても、そう変わりはなく感じるでしょう。出費、つまり消費が減る時代は、同時に収入や意欲も必ず減るからです。
もちろんこれは、再三繰り返しますが、人によって違います。おつきあいにお金をかけないでする人もいれば、湯水のように使う人もいるでしょう。ただ、私が言えることは、結婚するまでにそれだけのお金がかかったとしても、何の不思議もなく、ごく当たり前の範囲だ、ということだけです。
結婚相談所「Z」に払うお金は、当時も今も、人やプランによって違います。
私が「選んだ」、というよりクックー!の私が「選ばざるを得なかった」プランが、いくらかかったのか。キッチリ書きたいのは山々ですが、色々と差し障りがありそうなので興味のある方はご自分でお問い合わせを。
しかし、これだけは言えます。入会金は上記の旅行代金より安く、月額は上記のデート代よりもずっと安かったため、私は納得して払うことができたのです。つまり私は、いずれにしても「おつきあいにはどのみち必要なお金」だと割り切れたのです。
ちなみに、実際の婚活中、二人だけのときは私はいわゆる「ワリカン」をしたことがありませんでした。とはいっても、すべて自分だけ払っていたのではなく、ほとんどの場合「個別会計」をしていました。この支払い方法は、Zの推奨でもあります。
そして、婚活も後期になって、幸運にも二度以上会うことができた人には、私がすべて支払うこともありました。
ただ、その行為について、私は少しタメライがありました。
確かに、支払いをすることは、男の甲斐性とか財力(社会力)を見せるいい機会になるでしょう。しかしその一方で、結婚したときのお金は自分だけのお金ではありません。「結婚してからも、この人はこんなふうにお金を使うのかしら」と疑問を持たれるかも知れない。いや、私が好むような経済感覚を持っている女性ならば、確実にそのような疑問を持つでしょう。つまり、もし私が支払いを全部したとしたら、それは私の期待するタイプの人に向けた戦略ではないのです。
じゃ、どうすりゃいいの?
結果的に、お相手の女性に奢る(奢りたい)場合に、私が実際にした行動とは、少し冗談っぽく言い添える方法でした。伝票を持ちながら、「ねえ、今日はカッコいいとこ見せてもいいかな?」と言うのです。
つまり言外に「いつもこんなことしないけど」と伝えたワケですね。
話を戻して、さて、なぜ私は、実際に婚活する前に、こんなに言い訳みたいにお金のことを考えたのでしょうか。
それは私に、コンプレックスがあったからです。
「モテないことをカネで解決しようとしている」と思った自分がいる。「そんなのナンパすればタダなのに」「デート代なんて女に出させればいいのに」と言う人もいるよな、と思った自分がいる。
ゲスい考えだと判っていても、やっぱり思っちゃったんですよね。
そこまで自分のことが判ってるなら、なんでお金を掛けたの?
あなたはそう疑問に思うかも知れない。
正直に書きましょう。
お金を出すことの引け目を、打ち消した「思い」がありました。
コンプレックスまみれの自分からしてみれば、婚活のために定期的にお金を使うのは、実は少し「快感」だったのです。
なんだか「女性に対して積極的なオトナ」になったような気がしたのです。
「自分がレベルアップした実感」があったのです。
下手をするとデート詐欺に引っかかりそうな、勘違い。
ささやかな、くだらない、「未熟者ゆえの成長する感覚」。
他人からすれば、きわめて低レベルの実感であるという自覚はありました。
しかーし!
その未熟であるがゆえの感覚は、やがて婚活という戦いにおいて……
イケメンや高収入に匹敵する「
今! そのスキルに名付けよう!
「
ヒュー!(口笛) なんだかラノベっぽいじゃないの!
げふっげふっ。
なおこのスキルが実際の婚活に登場したのは、この数か月後になります。
お楽しみに。
さて次回は、いよいよZに赴き、カウンセラーさんと会話します。
大勢の婚活チャレンジャーを目にしているはずのカウンセラーさんは、
死刑宣告?
それとも激励?
ところでハニー、君は会費とか払うことに抵抗はなかったの?
(別に。必要だと思ったから)
あっ、そうなの…… 愛してる、ハニー。
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